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店舗ディスプレイから商業アートへ|魅せる空間を作ろう!

こんにちは!

藤井雅範です。

先日、六本木の森美術館へ行きました。

塩田千春さんの展覧会『魂がふるえる』を観るために。

吊るすこと・集積すること・糸を張り巡らすこと

ここ10年ほど、吊るす・フッキング&ハンギングという手法をよく目にします。

アートの表現に置いても、商業展示に置いても。

さらには集積するという手法もしかり。

どちらも目にする事が多いです。

 

塩田千春展『魂がふるえる』においても、そう行った表現が基本になっていました。

それを彼女の得意とするアイテムである“糸”を用いて制作されたいる。

そんなアートが堪能できました。

 

天井から吊るす事により、モノは浮いて見えます。そして足元には何もなくなり床という面が広がります。

集積する事でモノはフォルムを変化させます。1つだけのときは感じられた固有のカタチが集積されることで、あたらしいカタチを持つのです。

糸を張り巡らす事は空間を、いや空気を区切ります。壁ではなく糸で。奥行きをぼかし、大きさをぼかし、フォルムをぼかします。

だから、作品たちは、観るものにとってちょっと不思議な感覚を覚えるのです。

吊るすこと、集積すること、糸を張り巡らす事によって、

モノは浮き上がり・あたらしいカタチを持ち・複雑な奥行きをもたらすのです。

螺旋階段で旅に出よう!

僕の一番のお気に入りは、このトランクを使った作品。

集積されたトランクが赤い糸でハンギングされさらに微妙に動いています。

そしてその全体のフォルムは、まるで天国へ続く螺旋階段のよう。

『登っておいでよ』天からそんな声が聞こえてきそうです。

 

正面から観る、下に潜り込んで観る、横から観る、壁に映る影の動きを観る・・・

ほんとに色んな角度から味わえる作品。

時代を超えた前衛アート

2年前、この展覧会開催が決まった翌日に塩田千春はがんの再発を告げられたそうです。
まさにそのときの心の動き、まさに“魂のふるえ”が感じられる作品も発見できました。

 

僕は田中敦子さんとの共通点を感じてしまいます。

(※田中敦子:日本の前衛アート集団 具体美術協会員 詳しくはこちらを御覧ください↓)

 

田中敦子がカラフルな電球を身に纏い『電気服』という作品を仕上げたように

田中敦子《電気服》

 

塩田千春はペンキや泥や輸血のチューブを身に纏った。

 

田中敦子がキャンバスに砂浜に円を描き続けたように

田中敦子《SPRING1966》

 

塩田千春は空間という空間に糸を張り巡らせた。

田中敦子と塩田千春。

50年という時を超え、日本の前衛アートは糸で繋がったような気がしました。

リアル店舗を活用しよう!

塩田千春展『魂がふるえる』において僕が覚えた感動。

それはこれからのリアル店舗でも大切な要素になってくると思います。

お店は、お客さんにワクワクドキドキしてもらえる空間なのです。

機能的にモノを並べているだけの空間には、わざわざ行く理由がない!

見せるから魅せる空間創りへ。店舗ディスプレイから商業アートへ。

妄想し始めると楽しくなってきませんか?

そんなお店にはきっと笑顔のお客さんがいらっしゃいます。

 

塩田千春展『魂がふるえる』
アートが好きな人はもちろん、リアル店舗に携わる人にもヒントがいっぱい!

オススメです!

10月27日まで、六本木ヒルズの森美術館にて

※すでに終了しています

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