お店が完成するまで

こんにちは!

VMDコンサルタントの藤井雅範です。

 

お店が完成した状態とは、どんな状態でしょう?

内装工事が終わった瞬間?

商品陳列が終わった瞬間?

お客さんがいらっしゃった瞬間?

 

やはりウツワやモノだけでは完成とは言えませんよね。

スタッフがいて、お客さんがお店を楽しんでいる姿が完成なんでしょうね。

 

ではそこまでの『店作りの過程』とは、一体どんな風になっているのでしょう?

お店作りの流れ

内装工事引き渡し

内装デザイナーとの打ち合わせのもと施工が行われ、工事が終了した段階を『引き渡し』と呼びます。

そこからは店舗運営サイドにより店作りが始まります。

 

装飾

商品の変化に左右されない装飾物を設置していきます。

写真で言えば、中央の石の壁面にあるモノクロ写真パネルやテーブル右のトランク、床に敷くラグマットなど。

商品陳列

実際の商品を配置していきます。

どの様なカテゴリーで分けるのか?

棚に畳むのか?ラックにハンギングするのか?パイプにフッキングするのか?

 

演出

マネキンやライザーや季節のお花など。

その商品に合わせた演出備品を用意します。

どんなスタイリング?

どこに配置?

着こなしや表現は?

ライティングは?

 

ざっとこんな手順です。

 

足し算と引き算

引き渡し後の、装飾・商品陳列・演出という部分。

これは実際にディスプレイやVMDに携わる人間にとっての醍醐味を感じる部分です。

見せ場と売り場のバランス、導線からの見え方、足し算と引き算。

これはカンタンには標準化やマニュアル化しにくい部分でもあります。

現場での経験を重ねた人間ならではの感覚で仕上げると深みが出る。

 

絵の具を重ねるように仕上げる『足し算』

売り場が全部見えなくとも重ねて什器を配置することで奥へと誘導させたり、あえて見せ場と売り場を混在させて商品に触れたくさせてみたり、マネキンをグッと重ねて配置することで深みを演出させたり・・・

これが足し算。

 

要素を削ぎ落とす『引き算』

意図的に商品間にスペースを作ってフォルムを引立たせたり、あえて背景と同色の商品を配置して素材感の違いを浮き立たせたり、何もない空間にペンダントを落として目線の低い位置に商品を配置したり・・・

これが引き算。

 

こういった作業を経て店舗空間が仕上がります。

実際にはそこに音の演出や香りの演出もプラスされる。

その空間でスタッフがロールプレイングを行うことで、更に馴染む店に修正されて仕上がる。

そしてようやくお客様をお迎えする体制が整うというわけです。

そして実際のお客様とのやり取りの中で更に調整されて、初めて売上につながっていくという流れです。

 

オープン時期の選定が大切

ここまでがお店に命を吹き込む、とっても楽しく重要な作業。

だから内装工事引き渡しから実際のお店のオープンは時間をしっかりとっておくこと。

オープン時期は繁忙期に設定するのではなく、閑散期が望ましい。

スタッフが馴染むことでお客様にしっかりと価値を伝えられる状態になるから。

 

『工事が終わったら準備もそこそこにスグにオープン』

『オープン景気のためにあえて繁忙期に』

実際はそんな店が多いです。

しかし長い目で見るとそれはマイナスブランディング。

本当にお店のファンを作っていきたいのなら、じっくり取り組むことが大切なのです。

 

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