神は細部に宿る|心に残るお店とは?
音色の演出
ボクが好きなお店。
ついつい覗いてしまうお店の一つが代官山の『OKURA』です。
インディゴや藍染によるアイテムが中心のお店。
店内のイメージはその名の通り『蔵』
先日訪れた時に印象的だっったのは、実に『音色』です。
『チリリリーン、チリリリーン』
そう鈴虫。
お店の一番奥。
レジの横から聞こえてきます。
最初はBGMかな?と思いました。
でも実際に虫かごに鈴虫が飼われていましたよ。
暑い夏に一服の清涼剤のような音色。
商品、内装、演出が見事にマッチして、深く印象に残ります。
ノスタルジックの演出
先日、連れて行ってもらったお店。
新宿のスタジオ・アルタ裏にあるサントリー・バー『昴』
昔ながらのレストラン・バーです。
食事、飲み物、内装、照明、バーテンダー、メニューの写真。
その全てが昔のまま。
バーテンダーのKさんのお話によると、このお店は昭和60年に開業。
基本的にその時のままの内容で現在まで営業を続けているらしい。
ボクには昭和60年というよりも、さらに15年ぐらい前、『キーハンター』や『プレイガール』や『非情のライセンス』といったテレビドラマの出てきそうなバーを彷彿とさせてくれました。
この状態の霜降りのお肉。バーテンダーさんの手にかかれば・・・
目の前でこんな風にロールにマイてサーブしてくれます。
バーテンダーさんのきめ細やかなサーブ、会話も丁寧。
きっとそのサービススタイルも、あの当時のまんまなんだろうなぁ!
神は細部に宿る
カウンターで食事していると、フト懐かしい『音色』が聞こえてきた。
そう、電話のベルです。
このお店では実際にまだピンク電話が使われている。
その『音色』がまた、このお店の印象を深いものにしている。
そしてトイレ。
男子小用の便器にはギッシリと氷が盛られている。
コレは80年代の飲食店、特にディスコではよく見られた光景。
基本的には消臭効果があるんでしょうが、男としてはここに用を足すのはなんだか爽快な気分になるもんです(笑)
こんな、なんでもないような細かい演出がまた、お店に対する愛着を増してゆくように思います。
好きこそものの上手なれ
『鈴虫』や『ノスタルジック』
こういった演出、これは計算に計算を重ねて、研究に研究を重ねてひねり出すのでしょうか?
ボクは、多分違うと思います。
自分が好きで好きで仕方ない世界観。
コレをお客さんに表現して喜んでもらいたい。
ちょっとニヤッとして欲しい。
そんな気持ちから出てくるものではないでしょうか?
自分の好きなことを仕事に取り入れると、徹底的に細部にまで演出することが出来る。
それはお客さんの情緒や感情、奥深い部分に届くのだと思います。
『ブランディング』というとビジネスライクに聞こえますが、『独自性=あなたのお店でしか味わえない独自の価値』は、このようにして生まれていくんでしょうね。
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