一点の商品に価値はない
こんにちは!
藤井雅範です。
ボクはアパレルメーカにー勤務していた中で、大きく2つの時代を経験しました。
アパレルメーカーとして、展示会で受注してもらった商品を専門店さんに卸していた時代。
SPA(企画製造販売までを一貫して手がける業態)として直接最終消費者に商品を販売していた時代。
この2つの時代です。
アパレルメーカー時代
入社してからボクは一貫してVMD職に携わってきました。
アパレルメーカーだった時代は、卸先専門店さまの売上をアップさせることが役割です。
卸先専門店さんの店頭は、ボクのいたアパレルメーカーの商品ばかりで構成されているわけではありません。
国内の他社のアパレルブランド、インポートブランド、服飾雑貨特化の他社ブランドなども展開されているわけです。
ボクたちはVMDの専門職。当然売場構成をしていく中では他社の商品も含めて行っていきます。
最終消費者に喜んでいただく、専門店さんの売上に貢献するためには他社の商品をメインウインドウでディスプレイしたり、一番反応の良いスペースで展開したりすることもよくあるのです。
ボクたちは当然のごとく、自社他社別け隔てなくベストな売場を目指して店頭を構成していきました。
そうすることで最終消費者が楽しめる店頭になり、気に入ってくれたお客さんがリピーターになり売上がアップし、専門店さんからは喜んでもらえる。結果的に自社ブランドを沢山売っていただけたり、展示会での受注も増えたり、そんな循環が起こっていました。
SPA時代
時は移ってSPA企業として企画製造販売までを直接行っていた時代。
この時代はロジックの時代でした。
どんな商品をどれくらい用意して店頭のどこにおいてどんな組み合わせで見せればどれくらい売れるのか?コレの追求に主眼が置かれていたのです。
お客さんにお店のファンになってもらってリピーターになってもらおうという意識よりも、モノとしての商品をどれだけ売り込めるか?売りさばけるか?といったことの追求です。
全く仕事のやり方が変わった、と言っても良いでしょう。
ビジネスの本質とは?
自分の商品やサービスや店舗を通してお客さんに喜んでいただく、その結果が売上になる。
アパレルメーカーとして専門店さんの店頭に携わっていた頃はそういったことを体で感じていたと思います。
しかし、SPAに業態が変わってからはモノとしての商品をロジカルに売り込むことがメインテーマになっていったのです。
その両方を体験できたことがボクにとって貴重な体験となりました。
今になって不思議に思うことがあります。
それはSPA(企画製造販売までを一貫して手がける業態)をしていた時代よりも、アパレルメーカーとして専門店さんに卸していた時代のほうが、より最終消費者であるお客さんを身近に感じることが出来た、ということ。
直接販売するより間接的に販売するほうがより身近に感じ取れるとは、なんだか皮肉なものです。
そしてその両方を体験したからこそ、今の時代に大切な事に気づけたとも思っています。
それはこういうこと。
『一点の商品には価値はない。一人のお客さんの笑顔に価値がある』そういうことです。
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