なぜ『遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える』のか?
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
村上春樹さんの新刊『騎士団長殺し』の第一部の第四章、そのタイトルはこうなっています。《遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える》
これは実に今から37年前に発行されたハルキさんの第二作『1973年のピンボール』にも出てくる言葉です。
正確には《遠くから見れば、大抵のものは綺麗に見える》。この作品ではそんなセリフを主人公に語らせている。
これは37年間一貫して持ち続けてきた思いなのか?自身の旧作へのオマージュなのか?ボクにはわかりません。
ただ、初期三部作ファンのボクとしては、とても嬉しく思えました。
初期への思い入れが強すぎたのか、中期以降の作風に、あまり馴染めていなかったものだから・・・
商品を見せるときも同じです
《遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える》
これはお店で商品を見せるときも、同じなんです。
たとえば、ショーウインドウ。
お客様から近い距離に位置しているのならば、ディティール(細部)まで認識できます。
「素材感(硬いの?柔らかいの?滑らかなの?ザラツイているの?軽そうなの?重たそうなの?)」や「細部のデザイン」まで表現することが可能です。
逆をいえば粗(アラ)も認識されやすい。
ですので、細部まで丁寧に表現することが大切。
逆にお客様が遠くから見える場所に位置しているのならば、ディティールはわかりません。
こういった場合に認識されるのは、まず「色」、次に「大まかなフォルム」です。
ですので、見せる上で気をつけたいのは「カラーインパクト」があるのか?
「全体のフォルム」は美しいのか?
と言ったことになります。
細かい粗(アラ)は認識されにくいともいえます。
だから、ハルキさんは《遠くから見ればおおかたのものごとは美しく見える》と表現したのでしょうね。
あなたのお店の「見せ場」、お客様との距離は近いですか?それとも遠いですか?
それによって表現方法も変化を付けてみましょうね!
この記事へのコメントはありません。