自分の仕事の質を考える場|エクスマ演劇合宿
こんにちは!
藤井雅範です。
経営者達による演劇の合宿
先日、伊豆の温泉で合宿に参加しました。
藤村正宏先生が主宰するエクスペリエンス・マーケティング実践塾の、ハイエンドコースである「演劇」の合宿です。
経営者達が真面目に演劇に取り組みます。
脚本、演出、大道具小道具、照明、音楽、効果、そして演技。
「演劇」とは「総合芸術」と言えるようです。
そして、舞台上で観客と向き合う真剣勝負の場。
逆に言えば観客にも観る側としての暗黙の心づもりが要るんですね〜。
観る人の想像力を掻き立てること!
別に本当に道具がなくても、例えば指先をリズミカルに動かせば「キーボードを叩いていること」を表現できる。手のひらを押し出してピタッと止めれば「壁に当たったこと」を表現できる。ハンドルがなくても、握った両手を回転させれば「運転していること」を表現できる。
映画とは違うんですよね。
その分観客の想像力は活発になるのかもしれません。
演技に集中して鑑賞できたりする。
情報を削ぎ落としながら、実はイメージ豊かに観客の頭に届けること。或いは観客の想像力が豊かに動き出すようにお膳立てをすることができるのだと思います。
これってお店のディスプレイの表現でも言えることだと思います。
具体的すぎると・・・
例えば「リゾート地のビーチサイド」に居るシーンを再現して「白いサンドレス」を表現する場合。
壁全面にリゾート地の具体的でリアルな写真が貼ってあって、リアルなパラソルとデッキチェアがあって、リアルなワインとお皿が並んで、リアルなマネキンがサンドレスを着ていたら・・・
観ている人に具体的なシーンは伝わります。が、しかし想像力は働かない。
具体的過ぎてイメージの広がりがないのです。
イメージを掻き立てる表現
壁は真っ青の単色。
陽灼けした肌のマネキンがサングラスをかけて真っ白なサンドレスを着ている。
身につけているアクセサリーやサンダルは吟味してセレクトされたもの。
手にはカゴバッグ。バッグの中には水着やサンオイルや、海辺で読むためのペーバーバックが入っている。
それだけでも、その1つ1つにセンスがあるセレクトをすれば、充分に「リゾート地のビーチサイド」というシーンは伝わります。
そしてそのスタイリングと小物のコーディネートで、どんなムードのリゾート地なのか?彼女はどんなシュチュエーションで旅に来ているのか?というイメージまで想像力をかき立てる事も可能なのです。
こういったことのレベルが上がれば、「魅せる」「伝わる」「イメージが働く」表現となるのですね。
「単純に伝える」という事なら具体的な方が良い。
「想像力をかき立ててもらう」のなら具体的すぎる表現ではない方が良い。
特にファッション感度が高いお店やブランドの場合は後者ですね。
演劇を自分の仕事に置き換えて考えた時
伊豆の温泉で演劇を学んでいて、さらにそれを自分の仕事に置き換えてみて、いろんなことを感じます。
『もっともっと表現のレベルを追求していったほうが良いのか?』
『いや、もっとわかりやすさに徹したほうが良いのか?』
『とりあえず“VMD”というものを浸透させるのが先なのか?』
・・・
自分だからできること、自分の使命・天命、人間の素晴らしさを『自分のビジネス』で伝えることはできないのか?
経営者が“演劇を学ぶ”意義は、そんなところを深く考えるところにあるのかもしれません。
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