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比喩というのはパッケージ。ただモノを渡すのではなく、モノの詰まったパッケージを渡すこと!

VMDコンサルタントの藤井雅範です。

村上さんのところ

期間限定サイト「村上さんのところ」が面白い。

村上春樹さんが、読者からの質問にいちいち答えてくれる(笑)という興味深いサイトです。

1月15日から受付を始め1月31日までに届いたメールに対して村上さんが返事を書いてくれる。

ボクも質問を書いてみました。↓

「村上春樹さんに送ったメール」

しかし、1月22日現在で15000通以上届いたそうです。

いくら村上さんがマメに返事をくれたとしても、自分に返信をもらえる確率は相当少ない・・・

比喩を多用するのは読者の読解力を信じていないから???

今日、そのサイトを覗いたところ、興味深い回答を見つけました。

読者からの質問内容は以下の通りです。

『情景や心情を表現するために、あなたはこれでもかというくらい比喩を多用しますが、それは読者の読解力を信じてないからですか? 』

ナルホド。

確かに村上さんの作品は比喩のオンパレード。

僕は結構好きです、彼の比喩。

たとえばこんな感じ。

『10分ばかり後でグレープフルーツの様な乳房をつけ派手なワンピースを着た30歳ばかりの女が店に入ってきて僕のひとつ隣に座り、僕がやったのと同じようにみせの中をぐるりと見回してからギムレットを注文した』


『彼女は僕に真剣に(冗談ではなく)、私が大学に入ったのは天の啓示を受けるためよ、と言った。・・・・・僕は天の啓示とはどんなものなのかと訊ねてみた・・・・・「でもそれは天使の羽みたいに空から降りて来るの」僕は天使の羽が大学の中庭に降りてくる光景を想像してみたが、遠くから見るとそれはまるでティッシュペーパーの様に見えた。

などなど、イマジネーションを膨らます比喩がたくさん出てきます。

風の歌を聴け

さて村上さんの回答は?

先ほどの質問に対する、村上さんの回答はこんな感じです。

『読者の読解力を信じていないから比喩を多用するということはありません。むしろお互いの読解力をたたえ合いたくて、僕は比喩を書いています。比喩というのは言うなればパッケージです。ただモノを渡すだけではなく、モノの詰まったパッケージを渡すのです。ただの意味を共有するのではなく、総合的な、複合的なイメージを共有するのです。これは書く方にとっても、(たぶん)読む方にとっても、素晴らしい達成だろうと僕は考えています。もちろんそう考えない方もいるだろうとは思いますが。』

うーん、良い表現!

とっても共感出来ます。

 

そしてこの考え方はビジネス、マーケティングにも応用出来る。

『ただモノを渡すのではなく、モノの詰まったパッケージを渡す』

これはモノの価値を高く伝えたる上でとても有効な考え方。

一点のモノだけでは伝わらないものが、それをコーディネートすることでイメージが浮かびやすくなる。

お洋服では単品で見せるよりマネキンなどでトータルでスタイリングを見せた方が、より一点の商品の価値が高く伝わり
ますよね。

またギフトにする場合も、わざわざ自分に似合うコーディネートを選んでくれたんだ、という思いまで伝わったりします。

 

小説でも、商品でも、受け手(読む側、買う側)により価値が伝わる様に工夫する事が大切なんですね。

ただモノを渡すだけでは不十分ということ。

 

・・・・・そういうことです。

 

 

 

 

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