一番喜んでいるのは村上春樹さん本人!?

ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞

2016年度のノーベル文学賞、ボブ・ディランが受賞しましたね。

ミュージシャンのボブ・ディランがノーベル文学賞を受賞する、これってエポックメイキングな出来事と言われています。

でもボブ・ディランはプロテストソング(政府や体制や人種差別や不条理に抗議する歌)を広く世に知らしめたミュージシャン。

その歌詞の世界に魅了された人は多く、それに刺激を受けたアーティストも多い。

 

ノーベル賞の創始者のアルフレッド・ノーベルは『理想主義的傾向のもっとも注目すべき文学作品の著者』に、ノーベル文学賞を贈る、と遺言したそうです。

『詩人』としてのボブ・ディランは充分にその資格を満たしている、と言えるのかもしれませんよね。

 

実は村上春樹さんの心境は・・・

さて、毎年のようにノーベル文学賞候補として取り沙汰されるのが村上春樹さん。

今年も受賞を逃したことで、ため息をつくファンの声が聞こえたようです。

村上春樹ゆかりの地と言われる、東京は千駄ヶ谷の鳩森八幡神社にはハルキスト達が集まり、受賞者発表の瞬間を待っていた様子。

ボクもSNSで配信されたその動画を見ました。

その瞬間、カウントダウンを心待ちにしていたファンにしてみれば、『ボブ・ディランが受賞』という発表には驚きと落胆を感じたかもしれません。

 

実はボクは逆の反応でした。

村上春樹さんは大好きだけれど、ハルキさんもボブ・ディランが好きだろうな、っていう気がしたから・・・

 

もしかすると一番喜んでいたのは村上春樹さん本人かもしれない。

ボブ・ディランが受賞したという喜びとそれ以上に、人前に出たり取材を受けるのが苦手だろうな、って感じるから。

 

芥川賞候補になったとき

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『村上朝日堂の逆襲』という名のエッセイ集があります。

ハルキさんの力の抜けた文章と安西水丸さんのイラストがとても良いムードの本。

その中に、『芥川賞について覚えている幾つかの事柄』という話が収められています。

ハルキさんは30年ほど前二度ほど芥川賞候補になったそう。

その時も候補者になった途端降り掛かってきた、様々な業界の慣習に戸惑ったということが書かれています。

 

たとえばこういうこと。

受賞第一作は必ず主催する文春系の雑誌に発表しなければならない。

「受賞したら翌朝の〇〇スタジオに出演して下さい」という依頼がNHKからくる。

新聞社から「芥川賞受賞までのドキュメントを取材したい」という依頼が来る。

・・・・・

人前に出たり、TVで喋るのがとても苦手なハルキさんはこういう依頼にとても困ったそうです。

 

あれから30数年、毎年のように受賞者候補に名前が上がります。

いくらノーベル文学賞とはいえ、流石にうんざりしている様子が目に浮かびます。

でもボブ・ディランが受賞したことで、少しは前向きに考えられるようになったかも?という気もしますが(笑)

 

しかし、文学賞を受賞した際の過去のスピーチ。

その素晴らしさを考えると、ノーベル文学賞を取ったときのスピーチはぜひ聴いてみたい気がします。

村上春樹さんの過去のスピーチについて書いた記事です→村上春樹とジョン・レノンとビジネスと・・・

 

まだ先でも構いません、いつかスピーチが聴けたらなぁ。

そんなふうに思います。

 

 

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