ネーミングの妙、「履けない靴」が「作品」に昇華した!
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
まだ夏真っ盛りですが、もう少し日が短くなった様な気がします。
「履けない靴」、ではなく「作品」
ここのところ、具体美術関連のイベントにちょくちょく参加させていただいています。
どれもとっても貴重な機会で、興味深い体験となっています。
過去の具体美術関連のブログ記事です↓
「具体美術協会」そのスピリッツに触れる。堀尾貞治のパフォーマンス! 「空気を切る」瞬間を目にしました! 現代アートの基本に触れる、ワークショップ 現代アートの基本に触れるⅡ。ランニングブラシって何? 現代アートの基本に触れるⅢ。「一瞬絵画」とは?
今日は、芦屋美術博物館で行われている「GUTAI×INTERNATIONAL 具体、海を渡る。」展の関連イベント、グタイ トーク サーフィンに参加しました。
元、具体美術協会会員の向井修二先生による、トークイべントです。
その中で、向井さんが芦屋市美術展に出品された作品を持参してみせていただく機会がありました。
この作品、分野としては彫刻の部で出品されたそうです。
まあ絵画ではないですからね(笑)
靴にセメントを流し込んで、ビスで止めたり、ペイントしたりして出来た作品。
これを出品する際に向井さんは「履けない靴」という名前を作品名にしようとしていました。
それを聞いた具体美術協会のリーダーである吉原治良は、「履けない靴」ではなく「作品」と言う名前に変更した方が良い、と忠告したそうです。
ただの「作品」という名に・・・
これは、「履けない靴」という名をつけた瞬間、それを見る人は「元々靴だったもの」が履けない形に加工されて「履けない靴」になった、という物質的な見方をしてしまう。
しかし、「作品」という名で、展覧会に並ぶと、それを見る人は「作品」としてそれの持つ意味を探ったり、そこから受けるイメージを膨らましたり、見方が広がって行く・・・
という意味からの忠告だったそうです。
納得ですね!
POPを書く時にも工夫を!
商品にPOPを書いたりするときも、そのタイトルで伝わり方が大きく違ってきます。
「¥1980、¥2980」などとプライスばかりをうたえば、その商品は「安い価格」という価値で判断してしまいます。
「軽い、暖かい」などとうたえば、その商品は「機能性」という価値で判断されます。
「友達にほめられた、家族と楽しい時間を過ごせた」などとうたえば、その商品は「良い体験」をあたえてくれる、とっても価値の高いものになったりする・・・
あなたは自分の商品を、どんな価値で見られたいですか?
確かに、芸術の展示会に行くと背景を色々考え巡らせる事がありますね。作品をみて題名を見て想像させる。表現で価値がかわるんですね。勉強になりました。