• HOME
  • BLOG
  • VMD
  • Free&EasyとHail Mary Magazine|さて、リアル雑誌の将来は?

Free&EasyとHail Mary Magazine|さて、リアル雑誌の将来は?

Free&Easyというメンズのライフスタイル雑誌が3月号で休刊した。

とおもいきやHail Mary Magazineという新しいライフタイル雑誌が6月号から創刊。

同じ編集長、小野里稔氏による船出。

事実上ネーミングを変えただけの引き継ぎか?とも思われました。

出版業界の現実

雑誌、テレビ、ラジオ、新聞といったマスメディアが不振だといわれています。

それにはスマートフォンの普及とそれに伴うソーシャルメディアの急速な拡大が背景にあるといえるでしょう。

そしてこれらのツールやメディアが、我々の生活にしっかりと根を下ろし始めていることも事実です。

ただ、だからといって書籍や雑誌がこのまま無くなってしまうとは思えません。

いや思いたくないというのが正直な気持ちです。

それは、雑誌書籍の楽しみは書かれているコンテンツ(内容、情報)だけではないと、ボクが思っているから。

お気に入りの雑誌を手にした時の、重みや手触りや微かなインクの匂いなんかが、たまらなく好きだから・・・

Free&EasyとHail Mary Magazine

IMG_7816

Free&Easyという雑誌は、ラギッド(男くさい、武骨な、粗野な)なテイストのファッションや、アメリカンカルチャーをテーマにしている様に思います。

取り上げるファッションも自体も共感できるテイスト。

さらにライフスタイルを表現する際のアメリカの風景写真などは、厳選されたものが使用されている。

以前、新しいお店の内装コンセプトを決定する際に参考にさせてもらったこともあるほどです。

 

また、シンボル的な存在として今は亡きスティーブ・マックイーンが度々取り上げられたり。

ターゲットは明確に絞り込まれ、コンテンツもそのターゲットが共感を覚えるものに徹している。

そういう意味では、マスメディアでありながらもサブカルチャー的な発信でコアな読者を掴んでいる、ちょっと特異な存在であったようにも思う。

 

そしてHail Mary Magazine。

基本的にはFree&Easyのテイストを継承していると思います。

いや、さらに絞りこまれた内容になっているといえるでしょう。

Free&Easyに時々見受けられたような、テイストは準じながらもすこ~しマスを意識した内容は見当たりません。

テイストを更に奥深く落とし込んだ紙面になっているように感じました。

マスに流され安物に流され失敗しているファッション業界を目の当たりにしてきた自分としては、とても共感できる変更ポイントです。

リアル雑誌だから出来ること

そしてボクが一番感じたこと。

実にそれは雑誌の手ざわりなんです。

Hail Mary Magazineは、明らかに手にした時の質感が高い。

手ざわりが良いのです。

Free&Easyは上質ながらもツヤのある表紙。

対してHail Mary Magazineはマットでサラッとした手ざわり。

手にしただけで高質感を感じます。

その質感のテイストは表紙だけでなく、中のページにまで継承されています。

 

さらに手にした時の重さ。

Free&Easyはしっかりと重みがあった。

対してHail Mary Magazineは軽いのです。

ちなみにページ数はほぼ同じ。

高質感のある手ざわりなのに軽い、というのは、実際手にした時のストレスが少ない。

 

こういった、雑誌の手ざわりというものはWEBマガジンや電子書籍では味わえません。

リアル雑誌だからこそ感じられるもの。

だからこの手ざわりはとても正解なチョイスだと感じましたね。

 

リアルな雑誌だからこそ出来ることって、まだまだあるように思います。

先述の手ざわりはもちろん、印刷のインクの匂い、コレクションして並べた時の所有感もそうですね。

さらに付録を使えば、良い香りの演出や美味しい味覚の演出も可能。

まさにライフスタイルを表現する上ではとても有効な手段であることは間違いない。

いわば五感で価値を伝えることが可能ということ。

そして今のところ、WEBマガジンや電子書籍では視覚と聴覚にとどまっています。

なんといっても、待ち焦がれた発売日に購入して、そっとページを開くときのちょっとしたワクワクドキドキ感、コレってリアル雑誌ならではのものだと思いませんか?

 

Hail Mary Magazine創刊号を手にして、雑誌の可能性の広がりを感じました。

リアル雑誌で、もっともっと読者を楽しませてくださいね!

 

・・・・・そういうことです。

関連記事

  1. masayoshi Miura

    同感です。
    これは、最近のレコードブームとも共通点が多い様に感じてます。
    頑張ってください。
    次の雑誌の号と貴方の記事、楽しみにしてます。

    • 藤井 雅範

      コメントありがとうございます!

      そうですよね〜
      リアル雑誌だからこそ出来ること、まだまだありますよね。
      読者をワクワクドキドキさせる雑誌との出会い、楽しみです。

CAPTCHA