変化のあるところに、人は集まる。

共感出来たお話しとは?

先日、ある大手設計施工会社の責任者の方とお話している中で、大いに共感できた事があります。

それはこういうこと。

「大きな投資をしてしまい建築や内装の意匠をたやすく変化できなくなるよりも、シンプルな箱を作って短いサイクルで変化させた空間のほうが人が集まりやすい」

もちろんお店(商業空間)のお話ですよ。

 

一般的に設計施工会社の方は、自社の売上を大きくしようと思えば、建築設備や内装に大きな投資をしていただく、ということを単純に考えてしまうかもしれません。

しかし、初期投資を抑えながらも容易に変化させることが出来る運用のほうが、これからの商空間創りには大切だとボクも思います。

だから、設計施工会社もこういった点に着目したほうが良いのです。

目先の自社の売上よりも、クライアントの利益に着目した運用手法を提案したほうが喜ばれるのは明白ですからね!

 

そう考えると、設計施工会社と言うのは、店舗のデザインや工事が仕事なのではなく、クライアントの利益貢献アドバイザーと言えるかもしれません。

だからVMDやアートやイヴェントや演出といったことも仕事の範疇だと考えられます。

それらをトータルでマネージメント出来て、最終消費者に価値を伝えることが出来ると、売上に貢献できるのです。

すると当然クライアントからは喜ばれます。

結果、その設計施工会社は選ばれる存在になることが出来ますよね。

 

デパートの復活!

さて、お話しを冒頭に戻します。

「大きな投資をしてしまい建築や内装の意匠をたやすく変化できなくなるよりも、シンプルな箱を作って短いサイクルで変化させた空間のほうが人が集まりやすい」という部分。

 

今日、久しぶりに入ったデパートでそれを感じました。

渋谷の西武百貨店です。

全面改装ではなく、部分的に手を入れている。

それがとても効果的。

ツギハギ感や中途半端感を感じさせずに、既存の器を利用、改装していない部分とも違和感なく共存しているように思いました。

 

大きく変化を感じたのは4箇所。

ファサードの光る柱

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「博物館」をイメージしたフロア

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「宮殿をイメージしたフロア」

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「遊園地をイメージしたフロア」

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いずれも既存の箱のなかで、床・壁・天井の色を変化させたり、照明を変化させたり、什器を変化させることで、従来うとは全く違う顔を作り出しています。

 

プロモーションスペースの重要性

そして各フロアに設けられたプロモーションスペース。

この日は大きく「カール・ラガーフェルド」のコーナーが随所にあったり。

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メンズフロアの一部には英国のロックバンド「クイーン」のポップアップショップがあったり。

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従来のテナント貸しのオンパレードのような売り場ではない、百貨店独自の色が感じられます。

 

こういったプロモーションスペースは短いタームで変化していくと思われます。

これはもっともっと広がったほうが良いと思う。

全フロアにあっても良い。

いちいち新しい商材を手配せずとも、既存のテナントの商品を編集するのも新鮮、ちょっとハードル高いだろうけど。

こういったハードルを乗り越えることや、編集能力。

それを見える形でお客さまに表現するVMD能力。

こんなことがこれからのデパートには大切なことだとボクは感じます。

 

いつ行っても、ワクワクドキドキとした新鮮な驚きを与えてくれる特別な場所。

もう一度デパートがそんな場所へと復活してくれることを、とても楽しみにしています!

 

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