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なぜ地方の、顧客中心のお店でもVMDが求められるのか?

お取引先からの電話

ずっと昔の話。

ボクがアパレルメーカーでVMDをしていた頃のことです。

時々、地方の卸先の専門店さんから電話がありました。

そろそろ祭りだから、来てくれませんか?という依頼の電話です。

ボクは別にお祭りのディスプレイをしていたわけではありません。

卸先専門店さんのお店の売上アップのために、ディスプレイ(VP,IP,PP)を魅力的に編集することが当時のお仕事。

なのに、どうしてお祭りだから来て欲しいと言われるのだろうか???

 

もう一つの疑問。

当時のそういった専門店は、店前通行量が極端に少ない立地のお店もありました。

商店街から離れている、普通の住宅街の中の一軒家的なお店も。

一時間、全くお店の前を誰も通らないこともあるような立地です。

そうしたお店からも「来て欲しい」というオファーがありました。

 

不思議だったのは、新規客なんか見かけたことがなかったということ。

いらっしゃるお客様は、みんなお店のスタッフと友達のような関係。

VP,IP,PPなんて全く関係ないだろうに・・・と思うような立地、というかお客様との関係性が既に十分出来上がっている。

「あなたがおすすめするのならそれをいただくわ!」という会話であったり。

納品されたばかりのパッキンから出てきた商品を吟味して、「気に入ったからそのスカート全色いただくわ」そんなことを仰るお客様が普通にいらっしゃるようなお店です。←ホントですよ!(笑)

しっかりとした関係性が既に出来上がっている。

こういったお店では、お客様との関係性が強いからVMDなんて効果があるの?そう思っていました。

VMDとは関係のないレイヤーのビジネスじゃないの?という風に。

ではなぜそのようなお店からもわざわざ来て欲しいというオファーがあったのでしょうか?

 

おもてなしの心

多分それは「おもてなしの心」だと思います。

 

20130628-2

お客様は来てくださる。

それはショーウインドウのディスプレイが素敵だろうと、ブサイクであろうと。

店内の陳列が乱雑であろうと、導線が複雑であろうと、ディスプレイが売り場と整合性が取れていなかろうと。

おそらく関係なく来てくださり、お買い上げくださる。

だってお客様はみんな関係性の深い顧客様で、しっかりと接客してお買い上げいただくから・・・

 

ただ、それだけではない「おもてなしの心」に気がついているお店があったのです。

そういったお店が、是非気て欲しいというオファーをくれた。

それは、たとえどんなに関係性の深いお客様であろうが、お店のディスプレイ(VP,PP,PP)が、見る人を楽しませる、演出力や芸術性の高い表現で、お祭りを迎えたいという気持ちなのかもしれません。

もう一つは、贔屓にして下さるお客様があんなに素敵なお店でお買い物している、と思わせることでお客様がちょっとした優越感に浸れるという部分。

お祭り時には、帰省客や観光客がたくさんやって来られます。

そういった時期に、圧倒的に目を引き、素敵に輝くお店に演出することは、ご贔屓の客様の優越感をくすぐる部分でもあるのです。

『いやぁ、いいわね!』『素敵なお店ね!』『ちょっと入ってみたくなるわね!』『えっ、あなたのお洋服っていつもあのの店で買ってるの?だから素敵なのね・・・』

そんな会話が行われるお店、ということにきっと意味があったのでしょう。

 

だからお祭りの時期によく声をかけていただけたのでしょうね。

逆に言えば、『それだけの演出力をほぼ何も道具を使わずに発揮できていた、そんな技術を持った、希少な集団であった』ということだともいえます。

 

「おもてなしの心」ディスプレイでも表現していますか?

 

・・・・・そういうことです。

 

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  1. 藤井 雅範

    さ秋さん、コメントありがとうございます!
    伝わると良いですね、おもてなしの心・・・

  2. さ秋

    心に染みる,いいお話です。
    時代だけでは済まされない無い、おもてなしの大切さが解りやすく、すぅーっと入ってきます。
    若い子達にも伝わるよね。
    気付くよね?


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