幻想的な色の変化。リズミカルな織機の音色。|デニム工場の秘密
こんにちは!
藤井雅範です。
先日、貴重な体験をしてきました。
デニムの染色と織物の工場を見学させていただいたんです。
ボクはデニムが大好きですが、実際に染色工場や織物工場を拝見させていただいたことはありません。
知識としてはなんとなくわかっていたつもりでも、実際見ると大違い。
来てみてよかった〜!と思いましたよ。
デニムの染色
最初に拝見した染色工場。
大きなコーン(紙管)に巻かれた一本の綿糸が引き出されて、次々と束ねられていきます。
その束が更に集まって大きな幅の束になります。
それは何故かボクに、素麺を干しているシーンを連想させてくれました(笑)
その大きな幅の糸の束(ロープと呼ばれています)が、お湯で洗われ洗浄される。
次にいよいよインディゴの染料で染め上げられます。
それを見たときにボクは驚きました。
黄色が藍色に変化する!
インディゴの染料って当然藍色だと思っていました。
藍色の染料につけることで、深いブルーに染まっていくものだと・・・
しかし実際は違うんですね〜
何色だと思いますか?
実は黄色いんです。
黄色の染料に浸けたものが化学反応(酸化)によって深いブルーに染まっていく。
その変色の瞬間も拝見することが出来ました。
なんだか幻想的で、不思議な気分になりましたね〜
そのように染料に浸ける、洗う、また浸ける、この工程を幾度も幾度も繰り返します。
白い糸が黄色くなり、やがて薄いブルーになりそのブルーが徐々に濃くなる。
不思議とロマンティックな工程でした。
デニムの機織り(はたおり)
次に機織りの工程を拝見。
ありがたいことに、ボクの大好きなセルビッチデニム(耳付きデニムのこと)と一般の幅広のデニムの両方の工程を見ることが出来ました。
シャトル織機
セルビッチデニムはシャトル織機で織りあげられます。
シャトルと呼ばれる、緯糸(よこいと)を取り付けたものを左右に往復しながら縦糸に織り込んでいく装置です。
基本的にシングル幅で織りあげられます。
コレを左右に往復させるのが両端に取り付けられたハンマー。
『カンカンカンカン』と小気味よい音を立ててシャトルがハンマーで打たれ、すばやく左右に移動する。
すると流れてくる縦糸に緯糸(よこいと)が織り込まれていくのです。
ちなみに縦糸はインディゴブルー、緯糸(よこいと)は白です、
裏地には緯糸(よこいと)が出る。
デニムを裏返せば白いのは緯糸(よこいと)が出ているからです。
レピア織機
一般の幅広のデニムはレピア織機で織りあげられます。
レピアと呼ばれる部品を用い緯糸(よこいと)を入れこむ織機です。
これはシャトルのようにハンマーで打ち付けないので、大きな音は出ません。
しかも超高速で移動します。
そしてダブル幅で織りあげられます。
織機が奏でるリズム
シャトル織機とレピア織機の大きな違いはスピードにあるそうです。
しかもシャトルがシングル幅なのに対し、レピアはダブル幅。
生産性が圧倒的に違うんですね。
そして実際工場で体験して感じたのはその現場の音のリズムです。
シャトルは小気味よくメリハリのあるハンマーの音。
レピアは静かに、しかし確実に寄せくる波音。
そんな風に感じました。
こんなことも、実際に現場に行かないと感じられないことですよね〜。
一段とデニムに愛着が湧いた体験でした。
それも手間ひまのかかったものに、より愛着を感じる。
やっぱり、セルビッチデニムは良いですね〜・・・
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