真面目に仕事してるだけではお客さんは喜んでくれない!
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
本部による一括コントロール
全国に沢山店舗を展開しているファッションや雑貨のお店。
その多くは本部からの発信やコントロールで運営されている事が多いですね。
商品面ではトレンドの商品を安い価格でたくさん揃えられたりするメリットがあります。
デメリットとしては、全国画一の商品展開になりその地方や個店の独自性が出しにくい。
運営面ではマニュアル化されたオペレーションで、誰でも一定レベルの応対が可能になるという点があります。VMD表現も紋切り型でどのお店も同じ見え方になります。
ただ、臨機応変な対応や各顧客様との関係性づくりは、あまり重視されない場合が多い。VMD表現も規制が多く、スタッフ個人を出した表現や自由な表現は難しい。
ここ数年、そういった本部一括の商品構成や運営方法に頼りすぎているお店は苦戦しているように聞きます。
こういった形態のお店は、会社やブランドが違えど商品は同質化しがち。
目先の見え方(内装インテリア)が変わっているだけで、内容は大体どこもおんなじだったりします。
スタッフの『個人』を出して楽しんでいる
先日訪れた仙台のセルバという商業施設。
そこの1Fにはとてもユニークなお店があります。
Pipie&Lilly(ピピリリ)という名のファッション雑貨のお店です。
決して整然と丁寧にディスプレイされて商品が陳列されているわけではない。
どちらかと言えばゴチャゴチャと並べられている。
教科書的なVMDで言えば点数は低い。
でもね、なんだかお店に居ると楽しい。
商品も独自性がある。
雑貨屋さんなのに個性的な洋服を1ラックだけ置いてみたり(それがとても魅力的に映ったりする)。
スタッフが好きな本(商品ではない)を持ち込んで紹介してみたり、好きな劇作家の写真を貼っていたり、手書きのPOPをたくさんつけてみたり。
お客さんと一緒に写真を撮りまくったり。
いつもたくさんのPipie&Lillyファンのお客様で、お店は賑わっているのです。
一言で言えば、スタッフがみんなで遊んでいるお店です。
ファッションビルやショッピングモールには沢山お店が並んでいます。
冒頭に書いたような本部一括コントロールのお店は一見優等生に見えます。面白味に欠ける。
それに対してPipie&Lilly(ピピリリ)のようなお店は、教科書からは逸脱しています。
スタッフが、「自分が好きなこと」で店を表現している。
SNSでも「自分が好きなこと」を発信している。
「仕事だから真面目に、仕事だから一生懸命」そんな概念よりも「まず自らが楽しむ」ということをしているわけです。
まず自ら「楽しい」を作り出しているのです。
そこにお客さんが反応、共感しお互いが「仕合せ」になっていく。そういうこと。
ファッションは人を楽しい気分にさせてくれるもの。
そのためにはまず提供するスタッフから率先して楽しむこと!
Pipie&Lillyのみんなを見てそんなことを学ばせていただきました。
又お店に行きますね!
この記事へのコメントはありません。