「何を見せる?」から「どう魅せる?」へ |第三話
一昨日からスタートしたこのシリーズ。↓
軽い読み物風にして身近にVMDを学んでいただける構成にしています。
今日は第三話。引き続きお楽しみくださいね!
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『お買い上げ率を上げる5つの方法』
お買い上げ率のアップに向けて、マスターに教えてもらったこと。
『導線を長くとってみる』ということを、早速お店で実験してみた。
マネージャーは相変わらず私のアイディアを否定しない。
ただ口角をキリッと上げて「やってみたら?」とだけ言ってくれる。
それだけに余計、失敗はできない。
まず奥へスムーズに行けるように導線をしっかりととる。 そして奥の壁面には、インパクトのあるポスターを貼った。遠目からでも良く見えるようにやや高い場所に。
するとお客さまの流れが変わったのだ!面白いように奥へ流れ出した。
結果、お客さまが商品に触れるチャンスが増えてきた。
以前と比べてみると、入店客数は変わらない。
でもお買い上げ客数は少しだが伸びている。つまりお買い上げ率(購買率)が増えてきている、ということ。
私はなんだかとっても嬉しくなると同時に、マスターの顔が浮かんだ。
ほっこりさせてくれる、あの笑顔をまた見たくなったのだ。
「こんにちは!」ステンドグラスの嵌った重たい木のドアを開けて私はそう言った。
「マスター、お客さんがお店の奥まで行ってくれる様になったんですよぉ」
「やぁ、いらっしゃい。」マスターはほっこりする笑顔を向けてくれた。同時にコーヒーの豊かな香りが鼻に届く。
スピーカーからはビル・エヴァンスの奏でるピアノが聴こえてくる。
「それは良かったね。他の方法は試してみた?」
「他の方法?」
「あっ、言ってなかったかな?お買い上げ率を上げるのには大きく5つのやり方があるんだ」
えっ、5つもあるのか?じゃぁまだまだ出来ていないのかも・・・
「マスター、お買い上げ率を上げるには居心地の良いお店を作るんでしたよね?そのためにまず導線を伸ばす。それ以外にどんな方法があるの?」
「うん、お買い上げ率を上げる5つの方法。それはこういう事」
そのあとマスターはわかりやすい事例を話してくれた。その一つが“触りやすい什器レイアウト”ということだった。
具体的にはこういう事。
- 触りやすいラックの高さ
- 触りやすい棚の高さ
- 手前が低く、店の奥に行くに従って次第に高くなっていく什器構成
- 四方がフレームで囲われている什器より剥き出しのハンガー什器
- ガラスやパネルで囲われている什器よりオープンな棚什器
“触りやすい什器レイアウト”以外には前回聞いた“長い回遊導線”。
他には“POPの提案”“PPとIPの連動”“お試しのしやすさ”といったことがあるらしい。
全部で5つ。
よし、店に帰ったらさっそくやってみよう。
まずは触りやすい什器レイアウトに変更だ!
第四話につづく
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