ポール・マッカートニーからのメッセージ

『ボクにはもう、人を信頼することしか、残されたものはない』

 

 主人公である、首相殺しの濡れ衣を被せられて逃亡中の男が、助けてくれた通り魔の男に答える。

映画『ゴールデンスランバー』でのワンシーン。

主人公の青柳雅春を演じるのは堺雅人。

通り魔のキルオを演じるのは濱田岳。

 

この映画のタイトルにもなっている『ゴールデン・スランバー』はビートルズの曲。

実質、ビートルズとして最後に録音されたアルバム『アビイ・ロード』のB面に収録されている。

“アルバム”を楽しむ

 アナログの時代は、お気に入りのアーティストの音楽は“アルバム”を入手して楽しむのが主流であったように思う。

デジタル時代になって、1曲単位で容易に手に入るようになった。

反面、わざわざアルバムとして楽しむというスタイルは、確実に減少傾向であるように感じる。

 

 そんな意味でも『アビイ・ロード』はアルバムとして楽しむ素晴らしさが伝わる1枚だとボクは思う。

メドレー中心のB面は特にそうだ。

そしてこの『ゴールデン・スランバー』~『キャリー・ザット・ウエイト』~『ジ・エンド』のメドレーは圧巻。

何度も何度も聴いてしまう。

 


『ゴールデン・スランバー』
かつて そこに道があった
その道はふるさとに帰る道が
かつて そこに道があった
ふるさとにかえる道がね


『キャリー・ザット・ウエイト』
さぁ、その重荷を背負うんだ
その重荷を背負っていけばいいさ これからもずっと


『ジ・エンド』
最後に
きみの受けとる愛は
きみが与える愛と同じだけあるんだよ

ポール・マッカートニーからのメッセージ

 アルバム『アビイ・ロード』のB面のメドレー。

コレを一曲一曲つないでいったのは、ほぼポール・マッカートニーの手によるものらしい。

ビートルズ最後のアルバムとして、ポール・マッカートニーが意識していたのか、偶然なのかはよくわからない。

 

ただ

「もう一度やりなおさないか?」「僕達がやってきたことは素晴らしいことじゃないか?」「世界中の人達にこんなに愛されているんだぜ!」

そんなメッセージにも、聴こえてくるのだ。

 

 ポールマッカートニーはこのメッセージを伝えるために『アビイ・ロード』というアルバムを作ったのかもしれない。そのために一曲一曲をメドレーとしてつなげていったのかもしれない。

デジタル時代の今でも、“アルバム”の良さを忘れないようにしたいなぁ。

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