儲かるか、儲からないか?ではなく、楽しいか、楽しくないか?

VMDコンサルタントの藤井雅範です。

人によるブランディング

『ウチはスタッフの露出がブランディングになる。

例えばスタッフの家。

スタッフの部屋のインテリアやコレクションだけで、一冊の本まで出版した』

そう語るのは、ビームスの副社長である遠藤恵司氏。

ファッションワールド東京2014秋 の基調講演でのことです。

 

ビームスというセレクトショップ。

そのスタッフはもちろんセンスが良く、また個性豊か。

商材であるファッション。

その中でもスニーカーのオタクがいたり、音楽はもちろんアニメ、果ては民芸品のオタクもいるらしい。

なのでそこから新しいレーベルが生まれたり、本を出版したり、ショップが出来たりしているという。

それを見てまた、ビームスが大好きな人が、スタッフとしてやってきてくれるそうです。

いわば、そこにいる“人”がビームスという企業をブランディングしている、ということです。

ビームス

鮮度によるブランディング

『うちは40ほどのレーベル(プライベートブランド)がある。実はその多くが赤字なんです』

えーっ、ちょっと驚きな発言。

 

しかし理由を聞くと納得です。

『感性にはタイムラグがある

カリスマやイノベーターがリードするムーブメントはオピニオンからマスに降りてくるまで時間が掛かる、つまり売れるようになるまではタイムラグがあるんですよ。

我々は常にカリスマやイノベーターに近しいところをとらえて色々んことをやっておかねばならない。

だから、赤字のレーベルがあっても良いんです・・・』

もちろん、全体での利益が出ているからこその言葉でしょう。

ただ確かに全てのレーベルで利益が出ているというのは、逆につまらないことばかり手がけてるのかも知れません。

だから鮮度あるものに常にチャレンジしている・・・

まとめ

ビームスは毎年全国の社員が集まって大運動会を行なっている。

今年の目玉競技はケン玉大会。

最大人数での同時ケン差し(ケン玉の剣に玉の穴を差す)を行い、ギネスに挑戦したそうです。

一見ばかばかしく見えるかもしれないことも、とことん楽しんでやっている。

実は東北の復興支援の取り組みとして、東北のブランドや工房に依頼して、ケン玉やその周辺グッズを開発。

「KENDAMA TOHOKU」としてプロジェクト化された様です。

ケン玉は海外でもエクストリーム系(横乗り系)の若者に人気がありエクストリーム・ケン玉として逆輸入されたりもしているらしい・・・

 

ファッションワールド東京の講演では『ブランディングで大切なのは人と鮮度』

という遠藤氏の言葉がとっても伝わってきました。

儲かるか、儲からないか?よりも楽しいか、楽しくないか?

それってファッションビジネスでも、とっても大切なことですよね。

・・・・・そういうことです。

 

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