1963/1982年のイパネマの娘
ヴェルヴェットのごときテナー・ サクソフォン
スタン・ゲッツを聞いていたら「1963/1982年のイパネマ娘」というお話しを久しぶりに読みたくなった。
「レコードの中では彼女はもちろん齢をとらない。スタン・ゲッツのヴェルヴェットのごときテナー・ サクソフォンの上では、彼女はいつも18で、クールで優しいイパネマの娘だ・・・」
この文章の通り、本当にヴェルヴェットのような音を奏でるスタン・ゲッツの演奏が、とっても印象的。
「1963/1982年のイパネマ娘」というお話しは、村上春樹さんの短編集『カンガルー日和』に収められています。
1963年から20年の時を経て、再びこの曲と出会う。
曲の中の彼女、すなわち“イパネマの娘”は今もずっと砂浜の上を歩き続けているらしい。
あの頃と変わらず。
彼女はとても形而上学的な女の子。
だから20年たっても齢をとらない・・・
このお話しの趣旨を突き詰めると、こういうことです。
『20年の時を経て、聞いている自分は歳をとっても、イパネマの娘は歳をとらない、
お洋服でもそうじゃないかな?
『着る自分は歳をとっても、洋服は齢をとらない・・・』
中には却って良い味がでて、
着る自分は齢をとっても、洋服は齢をとらない
そんなお洋服を提供してみる。
ヴィンテージ・シャネルなどはそうかもしれない。ヴィンテージ・リーバイスも。
あるいは、無名のブランドでも、長く重宝されるものはあります。
それには提供の仕方も関係してくると思います。
商品の機能だけでなく、作り手の背景を伝えたり。
着こなしや着回しのアドバイスをしたり。
お手入れ方法を伝えたり、お買上後のメンテナンスをしたり・・・
“価値が高く伝わる伝え方”をすることですね。
お洋服。
使い捨てるのではなく、重宝されるように提供したいですね。
・・・・・そういうことです。
いいっすね!この物語
スタン・ゲッツのサックスが聴こえてきますよね・・・(笑)