大人だから素晴らしいのではない。大人という容れ物に何を入れるかが問題なのだ。
今日は1月3日。
まだまだお正月気分。
朝から本を読んでいます。
村上春樹さんの『村上さんのところ』という本。
『村上さんのところ』
この本は読者が村上春樹さんに投げかけた質問に、村上さんが応えるという形の内容です。
そのために読者から投げかけられた質問は3万7465通に上るらしい。
村上さんは3ヶ月以上かけて全部読み切ったそうです。
そのなかから3716通を選び返事のメールを書いたそう。
この本ではその中から選ばれた473通のやり取りが収録されています。
内容は、単なる質問だけにとどまらず人生相談のようなことから政治的なことまで、こんなことを質問するんだ!という意外な質問が山盛りで、読んでいてとても楽しめました。
その中で興味深かった内容について書いてみます。
28歳の女性からの質問
この質問(というか相談)は30歳を目前にした女性から。
“今まで生きてきて何一つ達成したという実感がなく、自分が、思い描いていた素晴らしい大人になれていないことで、心が挫けそうになる・・・”と言った内容。
それに対する村上さんの答えはこうです。
『大人というものは素晴らしいものだ、という考え自体が間違っているような気がする。大人というのはあくまで容れ物。何を入れるかはあなたの責任。達成なんて簡単には出来ない。ちょっとずつそのへんのものを容れ物に入れて行くことから始まる・・・』
と言った内容でした。
大人というのはあくまで容れ物
本当にそのとおりだと思います。
『大人というのはあくまで容れ物』
小さな頃には少ししか入らなかったものが、大人になるとたくさん入るようになる。
そしてそこに何を入れるのかは、その容れ物の持ち主であるその人自身。
キラキラと輝き人の目を楽しませる宝石を入れるのか?
汚れたゴミを貯めこむのか?
その中身に意味があるのであって、大きい小さいにあまり意味は無い。
とても小さいけれど価値のある容れ物もあるし、サイズは大きいものの何の役にも立たない物もある、ということですよね。
そしていつの瞬間でも何を入れるかはその持ち主である自分で決めることが出来る!
とても共感できる考え方です。
ボクなんか17歳の頃から、なんにも変わっていない。
ただ、容れ物が大きくなった分入れる内容をセレクトする目が多少養われてかなっ、て思うくらいです。
今でもたまに、とんでもなくつまらないものを入れている気がするけどね(笑)
もちろん大人になったから偉い、なんてのは幻想に過ぎません。
全てはその容れ物に何を入れていくか?なんですよね。
『村上さんのところ』という本。
面白いなぁ。
今日はこの本をもう少し楽しむことにしよう。
・・・・・そういうことです。
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