マニュアルで表現できるのは氷山の一角にすぎない・・・
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
ディスプレイのテクニック
お洋服をディスプレイして見せる時、細かいテクニックというものは存在します。
しかしそのテクニックをいつでも発揮できるように勉強できる、教科書的な存在には未だ出会ったことがありません。
残念ながら、マニュアル化できない部分が厳然とあります。
そしてそれをおろそかにしてはいけないのです。
ファッションには流れがある
なぜならファッションというものには『流れ』があるから。
『トレンド』と言い換えても良いでしょう。
そしてファッションはコーディネート(組み合わせ)です。
一点の同じ商品があったとします。
定番的なポジションで年を経ても変化の少ないデザイン。
例えばオックスフォード生地の白いボタンダウンシャツ。
ずっと昔のアイビー全盛の頃にはチノクロスのパンツに合わせていて。
少し前ビジネスカジュアルが流行りだした頃にはネクタイを締めてデニムに合わせて。
そして今ならスゥエットパンツに合わせて、キレイ目なリラックススタイルになるかもしれない。
着こなしも違いますね。
アイビーの頃にはボタンを一つだけ開けて。
ビジネスカジュアルは上まで締めて。
スウェットパンツに合わすのなら、二つ開けて、ボタンダウンの襟の剣先のボタンまで外して。さらにシャツの裾はパンツの外に出す。
このように、同じオックスフォード生地の白いボタンダウンシャツでも着こなし方が変化します。
アイビー、ビジネスカジュアル、キレイ目リラックスと流れが変化します。
それによって、コーディネート、着こなしも変化するのです。
深く伝わる表現とは?
もしもどんな場面でも、白のボタンダウンシャツを同じようなディスプレイをしていたとしたら???
その時々の時代、ムード、が反映されずにディスプレイされていたら??
ファッションとしてのボタンダウンシャツの魅力は、きっと伝わりません。
だから、同じ一点の商品でも、その時見せたい見せ方・表現方法を瞬時に判断できた方が良いのです。
そしてそれを教科書的にまとめていくのは難しい。
ファッションの流れを汲んで、良さを引き立てるコーディネート相手を見つけて、そのブランドらしさ、その店の立地・ターゲットを加味して表現する。
それを瞬時に判断するのは、マニュアルだけでは対応しきれない部分があります。
教科書的なマニュアルの限界
教科書的なマニュアルというものは必要であるし、有効性もあります。
これを知って活用すれば売り上げアップにつながります。
しかしそれは氷山の一角を示すものでしかありません。
さらにその奥の部分に、『深く伝わるテクニック』というものはあるのです。
そしてそれは練習を積み重ねる上で身についていくのです。
近道を一つだけお伝えします。
ファッションを好きになること!
ファッションをビジネスの手段としてしか考えていなければ、深い部分の修得には時間がかってしまう。
・・・・・そういうことです。
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