IVM宣言|三度目の緊急事態宣言が発令された日に
こんにちは!
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
山の手を散歩すると、木々が見事な緑のグラデーションをなしていました。
もう若葉のころ、ですね。
東京・大阪・兵庫・京都の各都府県が本日より三度目の緊急事態宣言に入りましたね。
変異ウイルスは若い人にも重症化する傾向があるらしい。さらには後遺症も・・・
昨年までとは様相が大きく変化しました。
ワクチン接種が行き渡るまではロックダウンもやむなしかもしれない。
そしてポストコロナ時代への備えをする時期でもありますね。
ビジネス的にはコロナ禍によって気付かされたことが多いはずです。
わかっちゃいるけど動けなかったこと、見て見ぬ振りをしてきたことに手を打つときです。
「ほっておけばコロナ以前と同じ状況が戻ってくる」なんてことは絶対にない!
僕も動き出すことにします。
今までまとめきれていなかった、“これからのVMD”に関して。
時代の方向性を定め、真に役に立つシステムとしてのVMD。
その核となるなるべき言葉をまとめてみました。
『IVM宣言』として。
IVM宣言
過去の表現との決別
今日の状況においては従来のVM(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)は概して意味ありげなネーミングの机上の空論に見える。
売らんがための即物的な表現や神棚のように祭り上げられた自己満足的ブランド表現と決別しよう。
資本力に任せた大量生産による価格訴求とマニュアル至上主義、店頭スタッフとは無縁なクリエイティブディレクター任せの借り物の表現の数々・・・・・
コンシューマーはもう気づき始めている。
どこかで見た表現から、独自の表現へ。
何を買うか?から、誰から買うか?へ。
「安いから、高いから」ではなく、「共感できるか?」へ。
自らの感情で納得したものを選択したいのだ!
整然としているがどこに行っても画一的な店頭陳列。
店頭VPのテイストとはかけ離れたWebサイトや広告ヴィジュアル。
SNSとは全く印象の違う店舗空間。
どれだけ精度の高いマーチャンダイジングであろうが、店頭とマスメディアとソーシャルメディアがバラバラな表現をしていては伝わらなくて当たり前。
そもそもの過ちはトレンド分析に比重を置きすぎたマーチャンダイジングにある。
それが同質化を生み、価格競争を激化させた。
商品クオリティが良いのはすでにスタンダード。
重要視すべきは理念でありコンセプトなのだ。
そこからユーザーにどんな価値を提供するのか?
その商品があることでどのような暮らしが実現するのか?
それに向けたマーチャンダイジングであるべき。
マーチャンダイジング(商品政策)➡ライフスタイル改善政策、なのである。
そしてそれを表現・プレゼンテーションし、価値を伝えていくことがVM。
世界観や店舗空間の構築もまた同じ。
独自の理念・コンセプトにより生まれる。
部門を超えてそれを共有することで価値が伝わりやすくなるのだ。
VMの解放
VMを店頭という狭い枠から解き放て!
一部の専門家だけのものにするな!
商品企画、生産、店舗開発、接客応対、販売促進、宣伝広告、webマーケティング・・・
各スタッフはぞれぞれ専門性を活かしながらもあくまで統一の目的にむかって動くことである。個人の能力を核にしながらも統合されたシステムで動くのである。
すべてのスタッフはインテグレーテッド・ヴィジュアル・マーチャンダイザーなのだ。
共有された理念・コンセプトはスタッフのモチベーションも上げる。
結果として生産性もアップするのだ。
どれだけ大きな企業でもこれは同じ。
完全分業化した途端インテグレーテッド・システムは崩壊する。
コンシューマーへの価値が伝わりにくくなるということ。
“モノ”から“ライフスタイル”へ。
店舗やブランドを核としたコミュニティ。
リアル店舗だから提供できる店舗空間体験。
これからのコンシューマーはこれらの要素に価値を感じるのだ。
そのためにもVMは店頭にとどまっていてはいけない。
もっともっと大きな役割を担うのだ。
オンラインであれオフラインであれ、コンシューマーとの接触機会にあるすべての表現・演出に関与し、すべてのメディアへ統合された価値をつたえること。
インテグレーテッド・ヴィジュアル・マーチャンダイジング(IVM)がこれからのファッション・マーケティングの要になる。
ここにそれを宣言しよう。
IVMコンサルタント
藤井雅範
この宣言に基づいてさらに研究を進めていきます。
セミナーやコンサルティングにも反映させていきますね。
最後に国際ファッション専門職大学教授の菅原正博先生に感謝いたします。
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