商店街だから出来ること・・・
前回、『商店街を歩いてみれば』という記事を書きました。
今日はその続編です。
ガクブチ屋さんなのにワインバー?
先日商店街で見つけたお店。
一見すれば額縁屋さんです。
でもお店の奥には間接照明でライトアップされたカウンターが・・・
昼間は普通に額縁屋さんとして営業しているのでしょう。
夕方から深夜にかけては、奥の部屋からワインバーが登場するという趣向なんでしょうね。
時間によって変わる店前通行客に対して、昼夜両方に訴求できています。
額縁屋とワインバー、それぞれのビジネスにも好影響があるのかもしれませんね。
こういうことは商業施設の中のお店(テナント)ではなかなか実現できません。
昼と夜で営業形態を変化させることに対しては規制が多いことでしょうね。
しかし商店街ならこのような規制はあまりないのではないでしょうか?
営業形態は比較的自由に設定できるというメリットが有ります。
また、大抵の店舗はお店の外にも商品やディスプレイを展開していたりする。
これは、やり方次第でセンスの問われるところですが、そんなユルさも商店街ならではの特徴ですね。
また最近では、空き家になった店舗に対して、自治体の「空き店舗活用事業」として、NPO法人が運営しモノづくりのクリエーターたちが活動を発信する拠点として活用する例などが見られます。
TuKuRuの例
先日、小説家の松宮宏さんによる『小説の書き方講座』があり、ボクも参加してきました。
その会場となったのがTuKuRuというお店。
神戸は元町商店街の西の端。
上に書いた、「空き店舗活用事業」として運営されているショップです。
アクセサリー、バッグ、衣類、バッグ、家具、革小物などを中心にモノづくりのクリエイターによる商品を委託販売しています。
ボクがおじゃました際にも実際に革のステーショナリーやデニム出できたボウタイなどが、モノに対して安い価格設定で販売されているように見えました。
お話しを伺うと、そういった商品は通常クリエイターから直接ネット通販で販売されたりしているので、実店舗ながらそれと同じ価格で設定されている物が多いそうですよ。
一般的には、クリエーター→店舗→消費者と商品が渡る中で、クリエーターが卸価格で店舗に、店舗が利益を載せて上代設定して消費者に渡る、という流れなので卸価格と上代価格は当然違います。
しかしクリエイターによっては、直接ネット販売している価格と同じ価格で店舗でも提供したいという希望があるので、このようなバリューを感じる価格設定ができているそうです(もちろん例外もあると思いますが)。
また店舗の内装を施工する際には職人さんにワークショップを開催してもらい参加者が手作業を楽しみながら施工したそうです。
店名の通り“TuKuRu”ことにお客様が参加されたわけですね。
奥にはオーガニックのコーヒーが飲めるカフェスペースもあります。
クリエイターが作る商品の持つクラフトな感じが、店舗内装や味覚でも楽しめる味わいのあるお店だなぁ。
このお店のように、商店街では思わぬ発見があります。
この感覚は、似たり寄ったりな店舗構成(リーシング)が多いショッピングモールでは味わえませんね。
シャッター通りと揶揄されるような商店街の空洞化が始まってから久しくなります。
反面、このような独自性のあるお店が増えることで、本当にお買い物が好きな人が商店街に足を運びだしている地域もあると思います。
再び沢山のお客様で商店街が賑わう日も、遠くないような気がしてきませんか?
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