ニーズで売るのではなく、共感で売りましょう!・・・
VMDコンサルタントの藤井雅範(ふじいまさのり)です。
セーターを探しにセレクトショップへ
お洋服のお店の店頭はすでに秋冬物で埋まっています。
良い商品ほど早めに抑えないと、売れてしまって入手が困難になることがありますよねぇ。
冬に備えてタートルネックのセーターが欲しかった。
ボクは出来れば紡毛(短い毛で作った糸)のざっくりした編み地のタートルネックのセーターが着たい。
しかし、羊毛100%の紡毛のタートルネックは首周りがチクチクして着ることができないんです(笑)
風合いは大好きなのに。
だからコットンや、コットンにカシミヤを混ぜた素材の物を選びます。
しかしそういう素材の商品は絶対数が少ない。
だからシーズン早めに探しに行った、というわけです。
その日入ったお店はセレクトショップ。
アメリカンカジュアルなテイスト。
全国に20店舗ほど店舗を構えています。
店によって坪数の違いで、取り扱うカテゴリーが違います。
その日入ったお店は坪数が大きく、他のお店では展開されていないインテリア・グッズのコーナーやグリーン(植栽)を扱うコーナーまでがありました。
ただ、残念ながら探していたようなセーターはありませんでした。
ついでに店内を見回してみると、インテリアを展開しているコーナーが、個人の部屋のような演出になっていました。
壁に貼り巡らされたフレーム(額)や古い地図
ソファ&テーブル
その下に敷かれたナバホ柄のマット
古い雑誌や切り抜き
壁飾りや壁に取り付けられた照明
様々な看板
アメリカの掃除用具などなど・・・
新しい物と古い物(ヴィンテージ)が混在した、リラックスできる空間となっています。
共感できる空気感・・・
壁に囲われていて、なんだか居心地が良いので、ゆっくり見回していました。
そこでフッと目に付いたパブ・ライト。
かなり日焼けして色あせていますが、それがまた良い感じ。
さりげなくテーブルに置かれていたクロス(十字架)の壁飾り。
ターコイズがはめ込まれていて存在感があります。
パブ・ライトはかなり古そうな物でしたが、お店の人にチェックしてもらうと、ちゃんと点灯しました。
おもわず欲しくなって、パブ・ライトもクロスの壁飾りも購入。
セーターを買いに来たのにヴィンテージ雑貨を買ってしまった
ボクの当初の目的はセーターでした。
しかし目的の物はなかった。
お店ではファッションだけでなく、インテリアも展開されている。
メインのファッションと同じテイストで。
その空間に共感してしまう。
突然欲しい商品と出会う。
おもわず購入・・・
こんな行動をとったということ。
皆さんも同じような経験、ありませんか?
ボクは、パブ・ライトを買いに行ったんじゃない。
もちろんクロスの壁飾りを買いに行ったわけでもない。
ヴィンテージ雑貨のニーズは、なかったんですね。
ところがそこの空気感に共感してしまう。
漠然としたニーズを感じ始める。
ポイントになる商品を発見。
確固としたニーズに変わる。
この購買行動のポイントは以下の三つです。
ニーズなどなかった
ライフスタイル・空気感・ムードに共感する
ニーズが発生する
つまりこの真ん中の部分、ライフスタイル・空気感・ムードに共感する、ということ。
共感される空間を演出するということが購買の動機、となったわけです。
だからここ数年、ライフスタイルショップが多くなってきているのだと思います。
そこではニーズのある商品を仕入れるのではない。
多分、バイヤーはこのパブ・ライト、とてもニーズがあるから売れるだろう、とか、この壁飾りが欲しい人がたくさんいるだろう、なんていちいち思って仕入れているわけではないでしょう。
テイスト似合うよね〜、とか、良いムードが出せるんじゃないかな?とか・・・
そんな思いで仕入れていることでしょう。
ニーズなんかなくても、商品を共感される空気感で演出されていれば、欲求を喚起させることができるということ。
だから、世の中で売れているいから、という理由だけでモノを仕入れていても売れないのです。
それだけでは買う理由が伝わらない。
だからセレクトショップやライフスタイルショップでは、空気感に共感される演出することで、商品の価値が伝わっていく
・・・・・そういうことです。
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