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ライナスの毛布と、うつむく青年のレインコートと・・・

うつむく青年

高校時代、よく学校帰りに立ち寄る友達の家があった。

タバコを吸ったり、音楽を聴いたり、女の子の話をしたりして、みんなでたむろさせてもらったものだ。

今思えば、お家の人にはずいぶん迷惑をかけていたかもしれない。

その友達の家に一冊の詩集が置いてあった。それが「うつむく青年」

谷川俊太郎さんの詩集だ。

 

その中の「東京バラード」という詩を読んで、すぐにこの詩集が大好きになった。

こんな短い詩だ。


「東京では 空は 


しっかり目をつむっていなければ 見えない


東京では 夢は 


しっかりと目をあいていなければ 見えない」

“東京バラード” 谷川俊太郎

この詩集に書かれている言葉は、スッと僕の中に入ってきた。

当時はひねくれた子供だったから。

  • 何にも役に立たなさそうなものに見出す価値。
  • 弱さとか、悲しさとか、はかなさとか普段目を向けそうにないものへの視線
  • 正しいとか間違ってるとか、男らしいとか情けないとか、そんな画一的なものの見方からの開放

そういったことに気づかせてくれたように思う。

PEANAUTSの仲間たち

“PEANUTS” 小学生の頃にその存在を知って直ぐ好きになったのは、そのヴィジュアルとペーパーバックスのカッコよさからだった。

友達が学校にもってきた、スヌーピーやウッドストックのぬいぐるみや本。

オシャレだなぁって思った。

 

その後に日本語版のペーパーバックスを読んだ。

世の中をちょっと斜めから見た様な、作者シュルツが紡ぎだす言葉。

単にオシャレなだけではない、“心”という見えなかった部分への気づき。

そんな文章を読んで、もっと好きになった。

 

小学生当時、スヌーピーのぬいぐるみは高価で、僕は小さなウッドストックしか買えなかった。

だからスヌーピーは大人になってから買った。

ガールフレンドが居ないときは助手席に座る相棒(笑)

今でも大きな物が欲しいけど、置く場所がない、と怒られるからまだ買えていない。

谷川俊太郎さんの存在は知っていたけど、「うつむく青年」の作者と「スヌーピー」の翻訳者が同一人物だとは、あとになってから知ることに。

最初は「えっ?」と思ったけど、後から納得できた気がする。

“ライナス”の毛布と“うつむく青年”のヨレヨレのレインコート。

どちらも、同じ純粋さを表すプロップス、なのかもしれない。

 

4年か5年前に、実際に谷川俊太郎さんのお話を伺う機会があった。

芦屋の美術博物館主催の講演会。

聴講者からの質問に答えるの場面でこんなやり取りがあった。

『大切にしていることはなんですか?』

この質問に対する答えは

『愛ですよ、愛!ビートルズ、All You Need Is Loveですよ!“愛”というのは元々外国から来た言葉。“お大切”と訳されていたのが“愛”になった。他人を大切にするっていうこと。愛するには人間の意志が大事。全てを受け入れることです』

 

谷川俊太郎さん。見た目はもうおじいさんだったけど、「うつむく青年」の烈しさを持ち合わせているのを感じられたなぁ。

このときのブログです↓

“うつむく青年” この詩集、とっても好きです。

興味のある方は読んでみてください。

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