山の岩の色が街の色を作る・・・
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
年初からひいた風邪を乗り越え、ようやく元気になりました。
今年の元旦は六甲山の中腹から初日の出を拝むことができた。
実際には少し雲がかかっており、そこからのぼる日の出・・・
最初に雲のエッジに沿って輝度が増してきます。
やがてくっきりと輝く光が、丸い陽の光に変化していくのが見えました。
寒くて強い風にさらされながらでしたが、清々しい気分でしたよ。
白い山
ご存知でしたか?
六甲山の山肌は、白いんです。
芦屋から登ると、ロックガーデンと言う名の岩場があります。
文字通り、大きな岩肌がさらけ出された場所。
この岩場は白い。
街から山を見上げてもよくわかる。
所々で見える、木々の映えていない場所は白い。
基本的に緑で覆われている山にくっきりとした白い岩肌のコントラスト。
六甲山は白い石で構成されているんですね。
この石は白い花崗岩。
いわゆる「御影石」なんです。
白い川
そして六甲山から街へと注がれる川。
その川の砂や石もまた白い。
川の土手を構成する擁壁や石垣も御影石で出来ています。
なので全体に白い。
厳密に言えば、ややピンクがかった薄いベージュです。
これが山から続くこの土地の色、街の色です。
六甲山を源流とする芦屋川は滅多に河口まで水が流れていない。
いつもだいたい途中で水がなくなる。
なので河口付近は一面このピンクがかった薄いベージュの砂地です。
この白い砂と、川岸に続く松の緑とのコントラストが美しい。
白い海
そして海。
芦屋川の河口に残された僅かばかりの天然の海岸の砂も、もちろんこの色です。
白い砂浜と青い海と空、このコントラストがこの街の風景となっている。
山から川、そして海へと続く白い色。
この色が街の景観を作ってきています。
ずっと昔。
街中の道が舗装される前は、実は街全体がほぼこの色でした。
とっても白い街だったんです。
しかし今は99.8%の舗装率。
舗装されてしまうと、街の色は消えてしまいます。
舗装された道って、どこに行ってもほぼ同じですよね。
地域性を消し去ってしまう。
芦屋での白い部分は、山の岩肌や川、僅かな砂浜や公園に残されている。
あとは、お屋敷の外構で使用される石垣。
これは結構な確率で御影石が使われている。
この石垣をみると、六甲山を背にした街だなって感じます。
しかしこれも、新しい建物に変わって行く度に少しづつ減少してゆきます。
その土地の独自性
街にはその街ごとの色、というものがある。
いや本来はあった。
芦屋を初めとする阪神間の白い街。
関東ローム層の方ではおそらく黒っぽい街の色。
それぞれの街で特色があった。
しかし舗装が進み、住宅はメーカー仕様の規格化されたものが大半を占める今、それぞれの街の色は薄れつつあります。
街の色と、木々や海や空とのコントラスト。
そんなものに囲まれて育まれるその土地に根付いた感性、それがきっとあるはずです。
いや、必ずある。
そこから、その地域独自の文学や建築やアートが生み出されてゆくのでしょう。
それぞれの街の色、後世に残してゆきたいですね。
風邪をひいた正月にぼんやりと考えていたのは、そんな事です・・・
六甲山が北 海が南
そんな感覚が いまだに抜けず
関東平野では わたくし方向音痴です(笑)
あ 関東ローム層は赤いですよ!
雨に濡れると ぬかるんで足を取られます
阪神間は海と山に挟まれた細長いエリアの街ですね。
山が北で海が南。
何処にいても山が見えるし、その反対が海。
エリカさんが、関東に行ってもその感覚が抜けないのは良く理解できますよ(笑)
コメントありがとうございます!