“買わないという決断”の扱い方
藤井雅範です。
店に入る。
商品を見る。
少し迷う。
そして、買わずに帰る。
これは珍しいことではありません。
むしろ、ほとんどの買い物は
このプロセスで終わります。
でも多くの店は、
この瞬間を少しだけ怖がっています。
「何も買わずに帰られた」
そう思うと、
どこか失敗した気持ちになる。
しかし本当にそうでしょうか?
あるドーナツ屋を見ていたときのことです。
整然としながらも楽しく並べられたショーケースの前、
若い女性が少し悩んでいました。
チョコレート。
カスタード。
ストロベリー。
どれも美味しそう。
でも彼女は買いませんでした。
「また来よう」
そう言って店を出た。
僕はその言葉を聞いて、
少し嬉しくなりました。
買わないという決断には、
いくつかの種類があります。
・今日は気分じゃない
・もう少し考えたい
・そして、また来たい
この最後の理由は、
実はとても大事です。
店の空気が良いと、
人は「また来る」という選択をします。
今の売上にはならない。
でも、
関係は残る。
あるアパレル店では、
フィッティング(試着)だけして帰られるお客様がいました。
以前なら、
それを失敗と捉えていた。
でもある日、スタッフがこう言いました。
「フィッティング(試着)してくれるって、
この店を信頼してくれてるんですよね」
それは、確かにそうだと思いました。
お店は、
すぐに売れる場所であると同時に、
関係が始まる場所でもあります。
ドーナツを買わなかった人。
フィッティング(試着)して帰られた人。
その人がまた来るかどうか。
そこに、店の未来があります。
もし今日、
買わないお客様がいたなら。
少しだけ、想像してみてください。
その人は、
本当に去ってしまったのでしょうか?
それとも、
また戻ってくる途中でしょうか?
次回は、
「また来る店の空気」について。
この話、もう少し続きます。


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