デニム好きのためのデニムの楽しみ方あれこれ・・・
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
先日デニムに関する記事を書きました。
今日はその続編を書いてみました!
デニムの『縦落ち』って?
デニムの特色として『色落ち』が楽しめる、という点があります。
最初の糊のついたままの洗っていないの状態(リジッドといいます)から、履きこむうちに経年変化が楽しめる。
とことん履き込むとほぼ真っ白にまで色落ちします。
そしてこの『色落ち』の中でも『縦落ち』と呼ばれる色の落ち方があります。
縦に線が走るように色落ちする。
この縦に走る色落ちがなんとも言えず味わい深いんですよね〜!
これはヴィンテージのデニムに見られる『色落ち』。
昔は古い力織機でデニム生地が織られていました。
古い機械は生地を織る力にムラがある。
だから多少デコボコした表面の生地になり、膨らんだ部分が縦のラインで色落ちするそうです。
工業製品を作るというような観点では不良品として取られるかもしれない特徴なんですね。
でも逆にそれが味になる。
なので今のヴィンテージのレプリカモデルもわざわざ昔の織機で作られているものも多いみたいです。
また、Leeのデニムはさらに縦落ちがよく出ると言われています。
これは綾織の方向が原因だそうです。
どのブランドも多いのは右綾(綾目の織り目が右上がり)、しかしリーは左綾なんです。
そしてデニムに使われる糸の撚り方。
糸が撚られる方向が生地の目と同じ左方向なので、綾目が目立ちはっきりとした縦落ちになるらしいです。
ステッチの色あれこれ
またヴィンテージデニムには時代時代で特有のディティールがあります。
ヴィンテージデニムを代表するリーバイスの501。
これも年代によって様々なディティールの変遷があります。
例えば下の写真。
この写真はリーバイス501の66モデル(前期)と呼ばれているデニム。
1970年代のものです。
写真のベルトループのステッチ。
右と左で違う色を使っています。
よく見ると左はオレンジ(現行と同じ色)
右はバナナイエロー(もっと前の時代のヴィンテージの501のヒップポケットのステッチに使われていた)
これは現行の501では見られないディティール。
しかし、66モデルが全てそういうディティールかというと、そういうわけでもない。
同じ年代のものでも個体によって違うんです。
おそらく当時のアメリカのデニム工場。
そこでバナナイエローの糸が余っていたのかな???
そんなことを想像してみるのもまた楽しいですね。
デニム好きには、知れば知るほど深い物語がある。
・・・・・そういうことです。
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