カジュアルな表現ほど、実は計算されている・・・
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
カジュアルなムードを表現したい、演出したい、そんな時
本当にカジュアルなムードを感じさせる見せ方と、単に乱雑でノイズが多く感じる見せ方、結構紙一重にみえたりします。
一見すれば・・・
でも本当に良い意味でカジュアル感が伝わる表現、これは実は計算されているのです。
単に乱雑なだけではない。
だから、綺麗に見せるよりもある意味難しいのです。
上の写真、とてもラフに見えますよね。
悪く言えば乱雑。
でも良いムードが出ている。
そのポイントはこんな点です。
トルソー(ボディ)以外は全て売り場として機能している。
一見無造作に、カジュアルに積み上げられてはいるが、基本的に同じ商品が積み上げられていて(品番別)、全て手に届く距離(触りやすい)。
きちんと売り場の機能が働いているんですね。
道具(商品以外のツール:ボディ、家具、ハンガー、植物、プレート、ミラーなど)にも統一感がある。
ある女の子の部屋を想定して、そこにありそうなものばかりでまとめられている。
阻害要因に注目!
この写真もラフでカジュアルに見えます。
しかし売り場機能としてはどうでしょうか?
上と同じ比較をしてみます。
中央のBOX状の棚&テーブル部分は売り場のように見えます。
しかし、商品に触れるには導線を阻害するものが多くある。
中央やや右のマネキンとカタログのラック。
左のポスターの乗ったイーゼル。
中央前の低いBOX状のテーブル。
これらが阻害しています。
なので売り場機能が果たせているとは言いにくい。
では見せ場なのか?
見せ場としての機能も阻害要因が多いです。
人目を惹く要素、これには以下の内容がウエイトが高いのです。
・人の顔
・文字情報
・光ったり動いたりするもの
人目を惹きたいのならこういった要素を効果的に使うことです。
しかし、人の顔だけでも、マネキン、両サイドにつられたバナー、スタンドに並んでいるカタログ、そしてモニターとあちこちに分散されています。
文字情報は、ポスター、商品、モニター、バナーに分散されている。
光ったり動いたりするもの、これは背景に積み上げられたモニター群全て・・・
全ての人目を惹く要素が分散されており、お客様がどこに目を留めて良いのかわからない、焦点(ピント)の合わない表現なのです。
要素を引き算しよう!
ポイントをまとめてみますね。
まず整理整頓する。
どこまでが見せ場で、どこからが売り場なのか?
アイテム別なのか、スタイリング別なのか?
整理した上で、商品をラフに崩して表現する。
道具(内装、インテリア、ディスプレイツール、バナーなど)素材・テイストを整理する。
人目を惹く要素を絞り込み、効果的に集中させる(主要な売り場と見せ場)。
カジュアルミックスさせた上で注意深く引き算をしていくこと。
この引き算が大切です。
ちょうど良い加減で引き算する、ミックスされたものを整理整頓する。
こういった行為が出来上がりの良し悪しにつながるのです。
実はカジュアルな表現の方が繊細に慎重に行う必要がある。
・・・・・そういうことです。
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