「売り手の都合」言葉、「気持ちよく過ごしていただく」言葉

VMDコンサルタントの藤井雅範です。

先日東京でインテリア系のライフスタイルショップへ立ち寄りました。

場所が移転したので、ちょっと中を見ておきたいというホンの軽い気持ち。

出張中で重たい荷物を抱えている事もあり、全く何を買うつもりもありませんでした。

お店に入るとスタッフが、「どうぞお荷物をお預かりするので、ゆっくりしていってください」

と声を掛けてくれたので、ありがたくお言葉に甘えました。

30分後、ボクは全く買う予定のなかった、しかしゆっくり見る事で出会えた小物達4点を持って、レジに向かっていました・・・

そんな出来事と過去の経験に基づいて、ちょっと感じた事を書いてみます。

ガラスや陶器、工芸品を扱うお店

商業施設の中にも雑貨やアートを扱うお店がありますね。

ガラスや陶器類、またはちょっとした美術工芸品を扱う様なお店では、お客様が沢山のお荷物を持ってお店に入られると、商品に当たったりガラスケースに当たったりして落下や破損の危険があります。

なので、コロコロとキャリーバッグを引っぱったり、大きなリュックを背中に背負ったまま店内を回遊されるのはちょっと避けたい・・・

さてそんな時、お客様にどんなインフォメーションをしますか?

 

A きちんとしたスーツを着た、お客様へ注意をする専門のスタッフを入り口に配置。キャリーバッグでの入店をお断りするとともに、背中にリュックを背負った人には手に提げるか、身体の前にリュックを抱えてもらうように促す。

 

B 一般の接客販売スタッフが、大きな荷物を持ったお客様に応対。「よろしければフロント(レジ)でお荷物をお預かりします。どうぞ、ごゆっくりとご覧くださいね」とお声掛けする。

 

Aの場合、そのお店に来る事を目的に商業施設に訪れたお客様以外は、入店されずに踵を返してしまうのではないでしょうか?

商業施設の中にあるのですから、特に美術品に目的があるのではなく、たまたま入店されるお客様がほとんどでしょうから。

 

Bの場合、大きな荷物から解放されたお客様は、ゆっくりとくつろいで店内を回遊し、興味をひく商品との出会いがあればゆっくり吟味。たまたま入店したにもかかわらず、良い意味での衝動買いをされるかもしれません。

お正月を迎える為のグッズをキュレーションしたコーナー

お正月を迎える為のグッズをキュレーションしたコーナー

同じ目的でも、伝え方ひとつで結果は大きく変わる!

いかがですか?

同じ目的でとった行動。

でも、結果は大きく違ってきます。

Aの場合は出て行ってしまう。(せっかく入店されたのに・・・)

Bの場合は購買されやすくなる。(身軽な身体で回遊できる・・・)

Aは売り手の都合言葉。

Bはお客様が気持ちよく過ごせる言葉。

同じ目的でも伝え方ひとつで結果は大きく変わる、ということです。

お客様の気持ちになって考えればわかる事です。

そこは商業施設なんですから。

誰も美術館にアート作品を見に行くつもりでそこに来てはいないんです。

たとえ、あなたが扱っている商品や展示している商品が、美術館と同じクオリティだったとしても、お客様はそんな気持ちであなたのお店を訪れるわけではない、ということ。

まとめ

商業施設の外から、お客様がどのようにあなたのお店にたどり着くのか?

実際にお客様としてお買い物を楽しむ気持ちになってたどってみればわかります。

売り手の都合言葉からお客様が気持ちよく過ごせる言葉へ変えてみませんか?

・・・・・そういう事です。

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