『アップルサイダーと彼女』が伝えてくれたもの
飲み物の魅力をいかに伝えるか?
小説なら文章で
ラジオなら音で
動画なら音と映像で
香り、温かさや冷たさ、味、器の触感・・・
相手に、実際には目の前にない飲み物の魅力を伝える。
それには伝わるように伝える“表現力”がとても大切です。
先日友達でカナダ在住のトレッキングガイドの田中こういちさんのYoutubeを見ていた時のこと。
ロッキー山脈のハイキング先でキャンプ用のケトルでお湯を沸かして“アップルサイダー”を飲むシーンがあった。
気温の低いロッキー山脈で、マグカップに熱いお湯を注ぐ。立ち上る湯気。すすりながら飲むホットアップルサイダー。
見ている僕にまでりんごの香りが届きました!
映像で、音で伝わってくる表現です。
田中こういちさんのYoutube⬇
そういえばアップルサイダー、日本ではつい炭酸飲料?って思われがちだけどりんごをしぼってとったジュースのことなんですよね。
僕がアップルサイダーという言葉を知ったのは一冊の本からでした。
当時僕は17歳の高校生。
片岡義男さんの『アップルサイダーと彼女』という、短編小説とエッセイで編成された一冊がお気に入りでした。
その表題作『アップルサイダーと彼女』
一部抜粋します。
彼女の店のまえに、車をとめた。そばかすが顔いちめんに散った、みじかい鼻がつんと上をむいた、かわいい女のこだった。栗色の髪に、おそい秋の陽が当たっていた。
一杯ください、と言うと、彼女はボウルからグラスへ、ひしゃくでアップル・サイダーをていねいに注いでくれた。はじめの一杯は、甘さと酸っぱさがほどよくバランスを保っていた。二杯目のは、酸っぱい味が、すこしだけ、強くしてあった。甘いリンゴと酸っぱいリンゴを一対一で半々にまぜてしぼったのが、一杯目。酸っぱいリンゴをすこし多くしてしぼったのが二杯目だ、と彼女は説明してくれた。
アップル・サイダーは、炭酸飲料ではない。炭酸が入っているものを想像しがちだが、そうではなく、リンゴをしぼって取ったジュースだ。
リンゴをよく洗い、昔から使っているジュースしぼり機にかけ、できたジュースを布でこしてきれいにしたものを、アップル・サイダーと呼んでいる。
アップル・ジュースは、スライスしたリンゴを熱湯で煮て、液をしぼり出したものだという。
サイダーを飲んでいたら、濃紺のフォードのピックアップ・トラックが一台、とまった。麦わらのカウボーイ・ハットをかむった、陽に焼けて精悍な農夫がひとり、降りてきた。彼も、アップル・サイダーを飲んだ。
この一文が僕とアップルサイダーの出会いです。
当時は今のようにりんごジュースが身近な存在ではありませんでした。
病気になった時だけ、母親がりんごの果実をすりおろしてくれたのを食べていたのをよく覚えています。
それぐらいちょっと贅沢な存在。
だからこのエッセイで紹介されているアップルサイダーを、どんなに美味しい飲み物なのか?文体から思いを巡らせていました。
甘くてちょっと酸っぱくて、アメリカの土の香りがするドリンクなのかなぁ?って。
いまでは日本でも手軽に口にすることが出来るりんごジュース。
これは透明に濾過されているものが多いです。
アップルサイダーは無濾過・無調整のもの。
大きな違いはないんだろうけど、“アップルサイダー”と聞くととても美味そうに感じませんか?
片岡義男さんの文体は語感からイマジネーションを掻き立てさせてくれます。
その表現力、伝わりすぎて妄想してしまうのです!(笑)
伝わるように伝える表現力、もっと磨きたいなぁ・・・
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