ファッションビジネスのイノベーションは?
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
ファッションのお店で、扱う商品とその販売・運営スタイル(提供方法)の関係について書いてみます。
扱う商品と提供スタイルの関係
一般的に低単価商品を扱うお店はセルフ購買を前提にしています。
わかり易いレイアウト(アイテム別等)、POP等の活用、インフォメーション表示が重要。
入りやすいお店(心理的・物理的抵抗感が低い)であることが多いです。
セット率が低くなりがちで、客単価も低い。
お渡しする際の包装も簡易なモノが多い。
逆に高単価商品を扱うお店は接客応対が基本です。
スタイリングをイメージさせるレイアウト(コーディネート陳列)、贅沢なフィッティングルーム、くつろげるソファ、熟練したスタッフによるパーソナルな接客が重要。
入りたくなるお店(あこがれや期待感を抱かせるムード、雰囲気)であることが多い。
セット率、客単価も高い。
包装は上質な素材で、丁寧に行なわれる。
そして、これらの中間に様々なバランスが存在します。
基本的にそのプライスラインに見合った提供方法を行なっているお店が多いですね。
以上は一般論として有効なことであったし、これからも基本は変わらないでしょう。
ただし異業種では、上記のような一般論を覆す事例もあります。
一般論を覆す例 とは?
ややファッションに近い例で言えば、「ヴィレッジヴァンガード」
本来は本屋さん。
通路は狭く、見通しは悪い。
決して入りやすい店ではないですね。
レイアウトはわかりにくい。
ニッチなテーマで編集された売り場。
しかし、時々琴線に触れてしまう出会いがある・・・
POPは個性的で、接客はしない。
一般の本屋とくらべるとおそらく、購買率が高く、セット率・客単価も高いでしょう。
そしてセールも売価変更もしないので、おそらく粗利は高い。
ファッションとは違う、飲食店の例。
例えば、「俺のフレンチ」
従来高単価なフランス料理を立ち食いスタイルにする。
低単価での提供を可能として、入りやすい店に。
内装に高い投資はしない。
原価と人件費以外のコストを下げ、高回転率で収益を生み出す業態になっているようです。
ビジネスのイノべーション(新基軸、新しい捉え方)という視点で考えてみると、一般論を覆す発想が有効なような気がします。
ファッションのお店でも、これからいろんなイノベーションが出てくることでしょう。
楽しみですね。
・・・そういうことです。
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