京都イノダコーヒー本店で感じたこと|『ブランド』とは?
こんにちは!
藤井雅範です。
イノダコーヒー本店
昨日は京都のイノダコーヒー本店へ行ってきました。
イノダコーヒーって京都では有名なんだそうですが、ボクは初めての訪問。
実はアパレルメーカーに勤務していた時代に約2年間ほど、すぐここのお店の近くの事務所に出勤していた時代があったんです。
なのに、このお店の存在は知りませんでした。
ここイノダコーヒー本店は、外観は京都らしい町屋の造り。
そして一歩中に入ると、そこはノスタルジックな喫茶室。
まるでクラッシックホテルのレストランを思わせるような造りです。
奥には中庭があり、その近くは折上げ天井になっていて、とっても開放感があります。
またレンガ造りの回廊を挟んだ別棟は、さらにノスタルジックなムード。
なんだか50年前にタイムスリップしたような感覚さえ覚えます。
窓際に行けば外光が入って明るい。
逆に入り口の辺りはやや暗く、落ち着いた雰囲気。
その時のムードで使い分けることでリラックスした時間が過ごせそうな空間です。
とっても歴史のある外観、少しノスタルジックな内装、普遍的な美味しさ。
京都という街は、そんな時代時代の良さを上手くミックスさせながら古い建物をリノベーションしたり、街並みを守ったりするのがとても上手だなぁ、と思います。
あぁそういえば勧められて注文したアイスコーヒー(最初から砂糖もミルクも入って提供されます)も、なんだか懐かしい味でしたよ。
独自性のあるジュエリー
このお店に連れてきてくれたのは、京都の老舗宝飾店の方です。(もちろん素敵な女性です)
ずっと京都で暮らされていらっしゃるので、流石にお詳しい。
ボクの知らない京都にまつわるお話を聞かせていただき、楽しい時間が過ごせました。
この方のお勤めする宝飾店は、150年の歴史を持つハイクラスのジュエリーメーカーでもあります。
『京都』という街にちなんだ“作品”というべきジュエリーを創作されている。
和室の丸窓から覗く枝垂れ桜をモチーフにしたジュエリーの“かんざし”
“御所車”のきらびやかな車輪をモチーフにした“ペンダント”
“十二単”の色の重なりをモチーフにした“ネックレス”・・・
そのデザインは圧倒的な独自性を感じました。
街における『ブランド』
『京都』という街はブランド、でもあります。
その存在感は日本でもトップでしょう。
建築物もジュエリーブランドも育っていく土壌がありますね。
反面、ほかのエリアでは残念ながらそういった土壌はまだまだ出来ていません。
例えばボクの住む『芦屋』という街。
ある意味、ブランドであるかのように受け取られがちです。
でも芦屋で生まれ育ったボクが感じるのは、まだまだ『街』を大切に育むと行った土壌にはなっていません。
六甲の花崗岩由来の白い土は、殆どが黒いアスファルトに舗装されつくされ、地方特有の土地の色がなくなりました。
ボクが生まれた頃にあった長く美しく続いていた海岸線は、あっという間に無機質なコンクリートの埋立地に変貌しました。
街の中心を流れる芦屋川沿いの歴史のある洋館も、ある日突然取り壊されていました。
もちろん機能的、政策的、個人的な事情はあると思います。
しかし、その“街”に対する住民個人個人の意識が、そういったことに無頓着なのことも原因のひとつだと思います。
センスがまだまだ足りていないように思います。
少なくとも京都には遠く及ばない。
ファションにおける『ブランド』
アパレルを中心としたファッション。
ヨーロッパのハイブランドはブランディングがとてもしっかりとしている。
当初のデザイナーが亡くなろうが、その意志を継ぎ、或いは進化させながら脈々と継続させています。
日本ではどうでしょうか?
もちろんとても優秀なファッションデザイナーは大勢いらっしゃいます。
しかし残念ながら亡くなってからも、或いは引退されてからも脈々と継続発展されているブランドはあるでしょうか?
日本でもブランドはとってもたくさんあります。
スコップですくった海岸の砂粒くらいはあるでしょう。
その殆どは目先の売上が悪くなると縮小或いは閉鎖に追い込まれます。
脈々と育てようとする土壌がありません。
『ニーズは聴くものではなく喚起させるもの』
『トレンドは追うものではなく生みだすもの』
毎週のように売上が上がったの下がっただの、この商品の丈がどうのだのディティールがどうのだの。そんな会議は続けられています。『ニーズを聴け!』とか『トレンドを追え!』とかね。
でもこれだけではヨーロッパのような、或いは京都のようなブランドは産まれない。
本当のブランドなら『ニーズは聴くものではなく喚起させるもの』『トレンドは追うものではなく生みだすもの』そう解釈するでしょう。
毎週のように犯人探しのような会議をしているのなら、その回数を半分に減らして京都に行ってみてはいかがでしょう?
イノダコーヒー本店の中庭でランチを食べながら、スタッフが自分のブランドに対する夢や思いを語ってみてはいかがですか?
きっと仕事が楽しくなりますよ。
ブランドを育んでいく、という上では会議よりも大切なことがあります。
その先には、きっと長く寄り添ってくださるファンがいらっしゃることでしょう・・・
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