ロジカル・シンキングよりも大切なこと。その④
VMDコンサルタントの藤井雅範(ふじいまさのり)です。
一昨々日の記事、ロジカル・シンキングより大切なこと・・・
一昨日の記事、ロジカル・シンキングよりも大切なこと。その②
昨日の記事、ロジカル・シンキングよりも大切なこと。その③
これの続きのお話です。
ここまで経験して、データに囚われすぎることのマイナス点を経験しました。
ある場面では通用したロジックが、他の場面では通用しないことも経験しました。
実際にデータを使うことやロジックを探ることを実践しただけに、改めて以前に感覚的に身につけていた基本的な売り場作りが間違いではなかったことにも、気づかされました。
ギフト売り場での経験
その後、さらに気づきを得る場面がありました。
それはある大型ストアでのことです。
クリスマスのギフト需要に向けた雑貨売り場。
前年も同じような売り場を作りながら、売り上げが芳しくなかった。
今年も商品の品揃え自体は大差ありません。
そこで、以下の二つを工夫しました。
POPを工夫する
前年もPOPは付いていました。
しかし書かれている内容は、商品名とプライスだけ。
そこでこんな工夫をしました。
『行動派のあの人へ。マフラーと手袋のギフトでアクティブに冬を乗り切ろう!』
『女子会でのプレゼント交換に!プチプライス、でも可愛い!を集めました』
以前の商品名とプライスだけのPOPから、ギフトをする相手や機会や場、を想像させる内容に変えてみたのです。
“モノ”だけの訴求から“その場におけるギフト体験”に視点が変えてみたわけです。
あらかじめコーディネートしておく
前年は単品ごとに商品を置いていました。
今年はパッケージとして置いてみたんですね。
あらかじめコーディネートされているわけです。
お客様としては選ぶ手間が省けるし、POPを読んでそのままセットで購入してくださる。
こうすることで、購買率がアップしたり、セット率がアップしたりしました。
左脳に働きかける伝え方と右脳に働きかける伝え方
先ほどでの気づきについてまとめてみます。
POPの場合
商品名やプライス、というのは左脳に働きかける伝え方です。
左脳=論理的機能に使用される。
他の同じような商品と値段を比較したり、論理的に冷静に判断しようとします。
対して、ギフトをする相手や機会や場を想像させる、という伝え方は右脳に働きかける伝え方です。
右脳=創造的機能に使用される。
五感を使って情報を処理します。
感覚的に直感的にお買い物したくなるんですね。
単品?orパッケージ?
単品の場合、そのものだけの魅力で判断されがちです。
これをギフトにするのなら、
どんな人に似合うのか?
どんな人に喜ばれるるのか?
そこまでは伝わりにくい・・・
パーッケージで置いた場合、コーディネートでの魅力が伝わりやすいです。
マフラーと手袋なら、それだけで外に出かけることが容易に想像できる。
『アクティブなあの人へ』というターゲットが浮かびやすいのです。
そして、わざわざあなたのためにコーディネートしました、という気持ちも伝わる。
なのに、あらかじめセットされていると、選ぶ手間は省けます。
さらにギフトの場合、相手の喜ぶ顔を想像すると、財布の紐も緩みやすくなります。
結果、客単価の向上も見込めたりします。
論理的に考え過ぎていると、なかなか右脳的な発想は出てきませんよね・・・
さてそろそろまとめに入りたいのですが、それはまた次回、書いてみますね!
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