五感という旋律

VMDコンサルタントの藤井雅範です。

名曲をたくさん書いた人、といえば
たぶん多くの人は ポール・マッカートニー の名前を挙げるでしょう。

でも、多くのミュージシャンに影響を与えた人は誰か、と訊かれたら
僕は少しだけ考えてから、この人を思い浮かべる。

ゲイリー・ブルッカー

プロコル・ハルム の人。
あの「青い影」を書いた。

https://youtu.be/z0vCwGUZe1I?si=mP3GQM7-kpEv5Uix

繰り返されるオルガンの旋律は、
古いアパートの窓から入る風みたいに、
僕をどこか遠くへ運んでいく。

連打されるドラム。
少しだけ遅れて、心が追いつく。

悲しくなる。
泣けたらきっと楽なんだろうけれど、
涙は出ない。
その代わり、胸の奥で何かが静かに軋む。

音楽は、音だけで人の心を動かす。

それは、ずいぶん不思議なことだ。

午後三時のお店を想像する。
ヴィジュアル、音楽、ニットの手触り、香り、
差し出される一杯の紅茶。
そして試着室のカーテンが閉まる音。

心を動かす装置は、
実はたくさん用意されている。

VMDという言葉は、少しだけ古びて聞こえる。
ショーウィンドウの中で、
まだスポットライトを浴びているみたいに。

でも本当に動くのは、
たぶん五感だ。

視覚だけでは足りない。
きれいに整えただけでは、人は振り向かない。

五感体験は、じわじわと侵入してくる。

僕が買い物をする時も同じだ。
自分で商品を選びながら、
自分がなぜこの服を手にしているのか?
少しだけ不思議に思う。

それくらいが、ちょうどいい。

それが、これからのVMDなのだと思う。

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