舗装技術の発展が、街の色を変えてしまったのかもしれない。
VMDコンサルタントの藤井雅範(ふじいまさのり)です。
先日、半蔵門のあたりを散歩してみました。
皇居のお堀端にある国立劇場、そこの石垣を見て感じたことがあります。
それは、『石が街の景色を作る』と言うこと。
厳密に言えばその地域の山にある岩肌、その岩肌が街の景色を作ると言うことです。
東京の石は黒く、芦屋の石は白い
街に建てられている建物、その外溝や基礎に使われている石垣たち。
この多くはその地域で採掘された石が多く使われていました。
なので国立劇場ではこのような黒い石が使われています。
阪神間ではこのような白いピンクがかった石が使われています。
これは東京のほうの山の岩肌は黒く、阪神間いわゆる六甲山の岩肌は白い、ということによると言えるでしょう。
また川の底を流れる砂の色も同じことが言えます。
岩が砕けてできた砂が川に流れ込む。
だから阪神間の川の砂の色は白い。
そしてその砂が流れ込む海岸。
その砂浜の色も山の岩肌の色が影響されます。
だから東京周辺の砂浜は黒く、阪神間は白い。
舗装技術の発展が街の色を薄くした?
しかし、こういった当たり前のことになかなか気がつかなくなったような気がします。
その原因は舗装技術の発展にあったようにも思います。
舗装される前の地の色もきっとこの山の岩肌が影響されているはず。東京周辺の地は黒く、阪神間は白い。
なので舗装が今ほど行われる以前は街全体の色の印象がその地域地域でもっと色濃くうつったのではないでしょうか?
アスファルトで舗装されるとどこへ行っても同じ道の色になってしまいます。
舗装技術の発展が街の色を変えてしまったのかも・・・
なのでそこに住む人達も、その地域の色というものにいつの間にか鈍感になってしまったのかも知れませんね・・・
まとめ
舗装されるという事は便利な事であります。
しかし地域独自の色を失う原因にもなっていると思います。
できれば舗装する材料もその地域の色を生かした素材を選んでみたりすること。
それがその地域の特性や文化を育む一歩にもなるのではないでしょうか?
そういう行政がおこなわれれば、街の景観はますます素敵に、そこに住む人の感性も豊かになっていくことでしょうね。
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