逆転の発想が感動を生む!
VMDコンサルタントの藤井雅範(ふじいまさのり)です。
新しくお店を作る場合、もともとあった建物を取り壊したり、もしくは大きく改装してオープンさせることが一般的には多いことだと思います。
しかし時々もともとあった建物を基本的に継承しながら、うまく商品を陳列して再利用しているお店もあります。
そこに商品がとてもマッチングしていると、ある種の感動を覚えます。
まるでその建物にのために作られた商品であるかのように思えたりも。
商品にあった物件を探すか?既存の物件を基に商品を作るか?
こういった試みは一般的に、もともと扱う商品に応じてそれによく合う環境の建物を探す、物件を探すこと、これが1つ。
もう一つ、これ以外のパターンも時々見かけます。
例えばこの店。
もともとあった蔵を改装してお店にしています。
そしてそこに置いてある商品はその蔵にとってもよく似合う商材たち。
藍染めや刺し子といった日本の伝統的な技法で作られたお洋服たちです。
和のテイストを大事にしたお洋服とその身の回りの服飾雑貨館で展開されているお店。
古材のハリや古材の床材。
出窓に置いてある石臼など、基本的に以前その蔵で使われていたことを想像させる小物たちが効果的に使われています。
あくまでそこの空気感を損なわずに、商品が展開されている。
ちなみにこのお店はここ一軒だけです。
もしかするとこの蔵にインスピレーションを得てお店のコンセプトを設定し、商品を開発したのかも知れませんね。
もう一軒。
このお店は青山にあるTHE POOL AOYAMAというお店。
ここは1970年前後に建てられた,いわゆるヴィンテージ・マンション。
その1階にある居住者専用のプール。
それをリノベーションしてブティックにしたものです。
こここそはほぼ間違いなく、このロケーションに応じてコンセプトを設定し、商品を開発したお店だと思われます。
なので、とってもリアリティーがある。
リノベーションの仕方もとてもユニークです。
まるでプールに水がはってあるかのように、透明なガラスの床が敷かれている。
そこに商品がレイアウトされています。
プールの上に浮かんでお買い物を楽しんでいるような錯覚を覚えます。
そして、かなり老朽化している壁や設備などを基本的にそのまま残しているかのように見えます。
それが逆に味となって本物らしさやリアリティー感が伝わってきます。
この空気感ににあう商品が開発し陳列され、店の奥半分には期間限定でファッション及びファッション以外のお店が展開されたりしています。
まさにこのロケーションありきで開発されたお店と言えます。
壊すのではなく、活用しよう!
既存の建物を損なうことなく、逆にその良さを生かしたコンセプトを設定し、商品まで開発する。
その空間で体験するショッピングはある種の感動を覚えます。
物だけ、器だけ、ブランドだけ、ではなく、その店のコンセプト、商品、空気感・・・
それらが一体となったお買い物体験をお客様に伝えているのです。
いたずらに既存の建物壊して新しいものを立てるのではなく、こんなやり方を活用して、既存の建物の良さを生かしながらお客様に感動を与えるお店がもっと増えてゆけば、素敵ですよね。
・・・・・そういうことです。
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