あの頃の僕は老けていて、今のほうがずっと若い
2016年にノーベル文学賞を受賞したのはボブ・ディランだ。
一冊の小説を書いたわけでもない彼が世界最高峰の文学賞を受賞した。
それの意味するところは、やはり彼の書いた歌詞がまさに文学であると評価されたからだろう。
My bace pages
彼の曲の中に『My back pages』というのがある。
“私の裏面”みたいな意味のタイトル。
その中でこんな歌詞が繰り返し登場する。
Ah, but I was so much older then
I’m younger than that now.
(あの頃はとても老けていて、今はあの頃よりずっと若い)
この歌詞にとても共感してしまった。
ボブ・ディランのソロではなく、クラプトンやジョージ・ハリスンとの豪華コラボ版をどうぞ↓
大量の仕事に追われていた頃
サラリーマン時代、大量の仕事に追われていた時期があった。
僕の担当ブランド数は40ほど。
それらのブランドによる年間200店舗もの直営店の出店。
僕はその事業の内装インテリア・VMD・販売促進の責任者だった。
部下の人数も多くいたが、それだけの数をこなすには少なすぎた。
兼任兼任で、なんとかやり通したなぁ。
今思えば良い経験であったし、あれがあるから今の僕があるのだろう。
でも見えていなかった事があったのも事実。
関わる人が多すぎて一人ひとりの気持ちを汲み取れていない。
関わる案件が多すぎて一つのお店の精度をあげていけていない。
多くの量を捌くのに必死で仕事を楽しめていない。
考えてみれば、相手の気持ちを汲み取って深い部分に気づいてあげたほうが、よりスムーズに仕事は進んだかもしれない。
精度の高いお店をじっくり1店舗作ることで、全体のレベルアップが容易だったかもしれない。
余裕を見つけて楽しむことで、人生への深い気づきがあったかもしれない。
いや、それらはたしかにあった。
ただよく見えていなかったし、見ようともしていなかった。
今考えると、頭が固い年寄りだったように思う。
実際“今”を楽しむ余裕もなく、休みが来るのを心待ちにしていた。
そして日曜日の夕方サザエさんが始まると、憂鬱な気分になっていた(笑)
“今”しか生きることは出来ない
今は自分のペースで生きているように思う。
仕事と休みの境目もないし、いつでも仕事ができる。遊ぼうと思えば曜日関係なく遊んでいられる。
サザエさんが始まっても憂鬱でもなんでもない(笑)
関わる人も案件もあの頃に比べると減った。
重い気持ちで人と合うこともないし、会いたくない人とは無理に会わない(笑)
その分、大切な人と深く付き合える。
本質的なことも理解できるようになる。
興味があればこちらから会いに出かけることも自由だし。
遠くに出かける際は、仕事と遊びをかけ合わせて行くことも当たり前。
Ah, but I was so much older then
I’m younger than that now.
(あの頃はとても老けていて、今はあの頃よりずっと若い)
本当にそう思う。
でもあの頃を悔やんでなんかいない。感謝してる。
あの頃があったからこそ、今の自分があるのだからね・・・
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