『文明とは伝達である、と彼は言った。 もし何かを表現できないなら、それは存在しないのも同じだ。 いいかい、ゼロだ』
こんにちは!
藤井雅範です。
村上春樹さんのデビュー作『風の歌を聴け』
その中にこんな一文が登場します。
「文明とは伝達である、と彼は言った。もし何かを表現できないなら、それは存在しないのも同じだ。いいかい、ゼロだ・・・」
これは主人公の“僕”が少年時代に精神科の医者に言われた言葉。
ひどく無口だった主人公に対して医者は続けて言った。
「・・・もし君のお腹が空いていたとするね。君は“お腹が空いています”と一言しゃべればいい。僕は君にクッキーをあげる。食べていいよ。(僕はクッキーをひとつつまんだ。)君が何も言わないとクッキーはない。(医者は意地悪そうにクッキーの皿をテーブルの下に隠した。)ゼロだ。わかるね?君はしゃべりたくない。しかしお腹は空いた。そこで君は言葉を使わずにそれを表現したい。ゼスチャーゲームだ。やってごらん。(僕はお腹を押さえて苦しそうな顔をした。医者は笑った。)それじゃ消化不良だ・・・」
この文章でのお医者様はちょっと意地悪な印象(笑)
でも現実はそう。伝えたいことは伝えないといつまでたってもクッキーを食べることはできません。
ボク自身、子供の頃は言いたいことがうまく表現できない子だったから、この主人公の気持ちはよくわかります。
店頭の表示(POP)やディスプレイでも同じ。
表現しないと伝わらない。
そして表現する中身が大切なのです。
セールの表示について
例えばセールの表示。
同じセール表示をするのにも伝わってくる表示と伝わらない表示があります。
伝わらないセール表示
店頭には大きく「MAX80%OFF」しかし店内には30%、50%、2BUY10%。いったいいくら安くなるのーーー?ヤヤコシイくてわかんないよーーーっ!
だいたいそんなに安くして元々価値のある商品なんだろうか、と勘ぐってしまう・・・
伝わるセール表示
バッグやお財布や帽子やアクセサリーのお店
スタッフの趣味である、わけのわからない馬の被り物?
その下にほぼ手書きでこんな風に書いてある。
「ALL10%off 安売り大キライなお店、ピピィアンドリリィのセール」
めったにセールをしないお店が特別にセールをしているということが伝わる。なんとなくスタッフの人間味も感じるしね。
一方は割引率の多さをアピールして、混沌に陥ってしまう。
もう一方は僅かな率の値引きだけど、丁寧に商品を売っていることが伝わる。
あなたならどちらの表示のお店で買いたいですか?
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