奥が見えない店に、人は進まない
藤井雅範です。
人は店の前で立ち止まります。
そして、ほんの少し考える。
「入ってみようかな?」
前回までのブログで、この瞬間までは設計できるようになってきましたよね。
入口5秒の話です。
でも問題は、その次。
一歩入ってもらえたとして、
もう一歩、奥へ進んでもらえていますか?
人は店内に足を踏み入れると、
わずかに緊張します。
「買わなきゃいけない空気かな?」
「自分はこのお店に、合っているかな?」
売場は、その緊張を解く場所であるべきです。
ところが・・・
入口すぐに背の高い什器。
視線を遮る棚やPOP。
奥の様子が見えないレイアウト。
すると人は、無意識に止まります。
奥が見えない店に、人は進みません。
これは勇気の問題ではなく、安心の問題です。
ある店舗で、
入口付近の背の高い什器を低いものに変えました。
それだけで、奥の照明が見えるようになり、
主力コーナーの雰囲気が伝わるようになった。
結果、奥まで進む人が増えました。
お店は、静かに語っています。
「どうぞ、奥まで」と言っているか?
「ここまでで十分です」と言っているか?
違いは、数十センチの高さだったりします。
もう一つ。
入口から2〜3歩の位置に、
“安心できる商品”を置くこと。
価格がわかりやすい。
用途が想像しやすい。
手に取りやすい。
レストランでも、
最初に重たい肉料理は出てきません。
まずは前菜。
軽やかで、食欲を刺激する一皿。
お店も同じです。
入口は前菜。
奥に進むほど、ブランドの本質。
物語は、順番が大事です。
売上は、派手な施策だけで伸びるわけではありません。
見通し。
什器の高さ。
視線の抜け。
安心できる最初の編集。
こうした小さな設計の積み重ねが、
滞在時間を伸ばし、
タッチ率(商品に触れられる率)を上げ、
結果として数字を動かします。
もし今、
入口で立ち止まる人はいるのに
奥まで進んでいないなら。
一度、お店の外から覗いてみてください。
奥は、見えていますか?
そして入口には、
前菜がきちんと用意されていますか?
次回は、
「触った人を試着へ導く空気」について。
コースは、まだ続きます。
また、席に戻ってきてください。


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