ショーウインドウ初体験!
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
いつもボクのブログを覗いてくださり、ありがとうございます!
ボクがVMDの仕事を始めた頃の話を、少し書いてみます。
あっ、ちょっと長くなるので、時間のない方は飛ばしてもらって良いですよ!
会社に入ったばかりの頃、1985年お話です。
ボクは神戸にある大きなアパレルメーカーに入社しました。
その頃の仕事は、その会社の商品を受注してくださって、そのブランドのオンリーショップ(100パーセントそのブランドの商品だけで展開している)としてショップを運営していただいている取引先のお店様に対して、販売促進面のサポートをすることでした。
VP,IP,PPの実施がメインで、その他にイヴェントやファッションショーの支援といったことがお仕事。(VP,IP,PPって何?という方はこちらををご確認くださいね!⬇)
初めての出張のときの話です。
四国は高松にある、大人の女性向きのお店、同行した先輩の一人が立派なショーウインドウをディスプレイする。そのサポートや掃除、店内のディスプレイを行う他の先輩に言われて備品の買い物、什器や棚の移動など、慣れない仕事でちょっと疲れていました。
先輩はとっても時間をかけてウインドウを仕上げている様子。
何度もウインドウの扉を開け、靴を履いて外に出て、タバコを吸いながら、少し首をかしげながら、そして少し頬を含まらせながら、自分がディスプレイしたショーウインドウをチェックしている。
深夜になってようやく完成しました。
先輩がディスプレイしているときはとっても疑問でした。
何故、こんなディスプレイにこんなに時間をかけて、こだわって作っているんだろう?
しかし、ボクも外に出て出来上がったウインドウを見た時、その疑問はみるみる解けてゆきました。
当時のファッション業界。
ブームはDCブランド。
DCブランドを扱うお店は、まるで美術館の様な商品の展示の仕方が主流。
空間の広い壁面に一点だけ掛けてあるだけ、
大きなステージに、スタイリングが広げて置かれているだけ、
などなど、極めてミニマムな展示方法が主流でした。
かたや、当時僕たちが扱っていた婦人服ブランド。
こちらは、旧態然とした展示方法のままです。
マネキンを使っているのは良い方で、トルソー、中にはひたすらトンボハンガー(高さが調節できるスタンド。それにセーターなどを引っ掛けて持ち上げ、そでを少し開いてみせる)ばかりを使用している様な店も存在した。
そんな時代・・・
その日、先輩が仕上げたディスプレイ。
深いブルーのリネンのジャケットが3着、天井から吊られたパイプにハンギングされている。
全て深いブルー、組んでいるインナーも深いブルー、腰にあしらったベルトも深いブルー、胸にあしらったブローチも深いブルー・・・
とってもクールでした。
それはまるで新たなDCブランドの様に見えた・・・
DCブランドと違うのは、ミニマムすぎない点。
一点一点の服のシルエットが、とってもきれいに出ている。
腕を曲げた時に出るシワも、リネンらしいとっても張りのあるシワが表現されている。
ボトム(スカートやパンツ)は組まずにトップスのみ3着飾っているのに、手首が装着されています。
その手首の表情を見ていると、三人の女性がおしゃべりしている様なシーンに見えてきます。
そして、ウインドウのガラス面にはポスターカラーでシンプルに「NAVY BLUE」と書かれています。
もちろんポスターカラーの色も「NAVY BLUE」
DCのミニマムさを程よく取り入れ、大人の女性にも受け入れられる表現まで高めていった様な感じ・・・
とってもクールでテクニカルなウインドウでした。
あっいいな、ボクもこんな表現が出来るようになりたいなっ、て思いました。
その時ボクには目標が出来ました。
いつかこれと同じ、いやこれを超えるディスプレイをしたい、と・・・
まっ、それから色んなことがありました。
ホントに色んなことが・・・
でもあの日見たディスプレイはいまだに忘れられません。
この道を進む上での原体験と言えますね・・・・・
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