ファームイントントでの一日|村上春樹をめぐる旅
美深駅前のようす
美深駅を降りてみる。
駅前にはロータリーとも、駐車場とも、道路とも、なんとも表現しがたいスペースが有り、そこからまっすぐに道が伸びている。
両側に様々な商店が並んでいる。
おそらく駅前のメインストリートなのでしょう。
両側の商店達が低いことと、まっすぐ伸びた道路の道幅がやけに広いことで、全体的にのっぺりとした印象のメインストリートです。
まるで1970年代の平べったいアメリカ車のようです。
駅を出て右側にはレンガ倉庫が続いている。
目的地、ファームイントントに向かう方法は一つ。
デマンドバスを利用することのみ。
駅前にはタクシーはもちろん、レンタカー屋さんもないのだから・・・
デマンドバスに乗って
予約しておいたデマンドバス(ワンボックスのワゴン車でした)に乗ると、山方向に向かいます。
およそ30分ほど走れば、ファームイントントに到着です。
その間、すれ違ったクルマはわずか一台のみ。
見かけた人はゼロ。
山と渓谷に挟まれた林道を抜けてゆく。
突然目の前に開けた土地がひろがります。
見渡すかぎりの草原。
その草原の一番向こう側にポツンと一見の家が立っている。
それがファームイントントという宿です。
村上春樹の「羊をめぐる冒険」という小説に登場するシーンとよく似ている登場の仕方でした。
主人公たちがその家にたどり着くまでの道のり。
それに少し近い体験が出来ます。
ファームイントントの中にはいってみると、目の前に草原が広がって見えます。
そしてそこには羊達が放牧されている。
ひたすら広がる緑の草原に群れた羊達が白い塊となってゆっくりと移動する。
寝そべったり、立ち上がったり、歩き出したり。
それを眺めていると、まるで小学生が組み体操の練習をしているようにも見えてくる。
宿に着いてから付近を散歩してみました。
ほんとに誰もいない。
人の姿はなく、民家らしきものも見えない。
宿の後ろは白樺林。
宿への道も、そこで途絶えている。
つまりこの広い草原を走ってくる車があるとすれば、この宿へ向かう車のみ。
たまに何かの拍子で道に迷った旅人がやってきて、途絶えた道を見てあきらめて折り返すらしい・・・
ファームイントント
このファームイントントは柳生さんご夫妻が運営するお宿です。
「羊をめぐる冒険」の舞台となった、北海道の奥の奥にある“鼠”と呼ばれる主人公の友人の父親の別荘。
これと立地やが環境とってもよく似ています。
後になって柳生さんが偶然そのことに気づき、HPで発信を始めたそうです。
やがて世界中からハルキストが訪れる地にまでなったそう。
ノーベル文学賞候補になった際(もう毎年の恒例行事のようですが)には、取材されるマスコミの方が大勢詰めかけるそうですよ。
今年は乃木坂48の橋本奈々未さんが訪れたそう。
『乃木坂46 橋本奈々未の恋する文学』という番組(北海道ローカル)で「羊をめぐる冒険」を取り上げられたから。
ファームイントントのホームページです↓
http://matsuyama-farm.com/farm-inn-tonttu/
このお話しはまだ、つづく・・・
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