村上春樹とアメリカン・カルチャー
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
いつもブログを読んでくれる、あなたに感謝です。
そろそろ夏が終わりかけている・・・
陽も短くなり、風向きも変わってきたりすると、なんだか物悲しくなります。
村上春樹はラギッドだった
村上春樹という作家、今ではノーベル賞候補の常連になり、出版する作品全てがベストセラーの様ですね。
僕が好きな作品は、初期三部作と呼ばれる作品です。
「風の歌を聴け」
「1973年のピンボール」
「羊を巡る冒険」
この三作品がとっても好きです。
アメリカンカルチャー、実際に音楽や政治やライフスタイルの影響の描写が良く登場します。
とくに、「風の歌を聴け」なんかは、アメリカの西海岸でのお話を翻訳したかの様なイメージを醸し出している。
そしてけっこうラギッド(無骨)でハードボイルドなんです。
例えばこんな描写。
『鼠(主人公の親友の名前)の好物は焼きたてのホットケーキである。彼はそれを深い皿に何枚か重ね、ナイフできちんと4つに切り、その上にコカ・コーラを1瓶注ぎかける。ボクが初めて鼠の家を訪れた時、彼は5月のやわらかな日ざしの下にテーブルを持ち出して、その不気味な食物を胃の中に流し込んでいる最中だった。「この食い物の優れた点は、」と鼠は僕に言った。「食事と飲み物が一体化していることだ。」・・・』
またこんな表現も
『ひどく暑い夜だった。半熟卵が出来るほどの暑さだ。僕は「ジェイズ・バー」の重い扉をいつものように背中で押し開けてから、エア・コンのひんやりとした空気を吸い込んだ。店の中にはタバコとウイスキーとフライド・ポテトと腋の下と下水の匂いが、バウムクーヘンのようにきちんと重なり合って淀んでいる。・・・』
なんだか、「ノルウェイの森」を書いた人とは別人の様な表現でしょう?
ジョンFケネディの名前が頻繁に出てきたりアイゼンハワー、M・J・Qにマイルス・デイビス、エルヴィスにビーチ・ボーイズも・・・
村上春樹のスタートラインは、多分にアメリカンカルチャーを感じさせるものだったんです・・・
・・・遠くではビーチ・ボーイズが「カリフォルニア・ガールズ」をうたっている。
そして別の方向からはクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの「雨を見たかい」が流れている。
とってもイカした女の子と、空から降り注がれるナパーム弾。
アメリカという国は、そのどちらの面も持ち合わせている・・・
そうかもしれない・・・
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