新しくお店をオープンさせる時、やってはいけない3つの事!
VMDコンサルタントの藤井雅範(ふじいまさのり)です。
オープンまでのスケジュールを決める時
仕事柄、ファッションや雑貨のお店のオープンに関する打ち合わせによく参加します。
内装の図面を見ながら検討していく会議。
『図面会議』などと呼ばれています。
大手アパレル企業に勤めていた頃は、1日に何件もの『図面会議』に参加しました。
そんな時に、お店をオープンさせる日程を話し合うこともよくありましたね。
あらかじめ、館(ショッピンブモールやファッションビルなど)で決められている場合は別ですが、こちらの都合で決められる事もあります。
オープン日は◯月○日。
内装工事は○日で終了して、引き渡し。
商品を納品して○日間準備の後、○日にオープン。
こんなスケジュールを決めていく。
多くの事業責任者は、お店のオープン時にたくさん集客して、お店を知ってもらおうと思うために、週末の繁忙時期にオープンさせようとする。
1日でも早く営業するために、準備の期間は最小に抑える。
その時に、『オープニングセール』『目玉商品』などと称して、破格値のセール商品を準備し、それを事前にチラシや、ホームページや工事中の仮囲いにポスターで貼ったりしてリリースする。
こんなことを行います。
ほぼ大体の事業責任者は、そういう行動を計画する方が大半でした。
さてこのような計画、新しいお店が長く顧客様に愛されるようになるためには、幾つかの間違いがあります。
もう、お分かりでしょうね。
では答えを。
はい『全て間違い』です。
繁忙期にオープンさせる?
新しいお店ではスタッフが慣れていません。
商品の知識はもちろん、レジやフィッティングや、ストックのオペレーションにも。
そんな状態で繁忙期にオープンした場合、必ず応対に不備が出てきます。
せっかくたくさんのお客様が来てくださっても、不満の多いお店、という印象が残る。
クレームを申し出てくれるお客様はまだしも、ほとんどのお客様は黙ってお店を出て、二度と利用してくださらなくなることでしょう・・・
準備期間は最小限に?
この理由は、先ほどの『繁忙期にオープンさせてはいけない』と同じ。
スタッフが十分お店に慣れる時間をとったり、ロールプレイングの時間を取るためにとても大切なこと。
ボク達のようなVMDの専門家がお店で準備に入る時間も、なるべく短く終わらせるようにしたいものです。
だから内装工事の引き渡しが遅れると、とても困ります。
お店を作る時間も減るし、スタッフがオペレーションに慣れる時間も減る=お客様の失望につながるから。
破格値のセール品で集客?
破格値のセール品、お客様を集客する、という点では効果がありますよね。
しかし、新しいお店を知っていただき、ファンになってもらい、長く愛されるお店になるには逆効果なんです。
『破格値』に釣られて来てくださったお客様は、『破格値』に価値を感じて、来店されるのです。
『破格値』以外の商品に興味を示される確率は低くなります。
だって来店動機が『破格値』だから・・・
集客が多ければ多いほど、破格値の商品だけを持って長い行れるに並び、さっさとお買い物を済ませらえることでしょう。
『破格値』に価値を感じたお客様の目には、他の通常商品は割高に映るかもしれませんね。
そして『オープニングセール』が終了すれば、もうお店のことは忘れてしまうかもしれません。
長く愛されるお店に!
繁忙期にオープンさせる、準備期間を最小にする、『破格値』で集客する。
このような場合、オープン当初の売り上げは高いです。
そしてみるみる売り上げは落ちていく。
1年後にリピーターが出来て、オープン時より高い売り上げをキープできているお店は稀、ということになるんです。
比較的閑散期にオープンさせて、しっかりスタッフが慣れる時間を取る。
お店や商品の価値をじっくりお客様に伝えていく。
そして、お店やスタッフのファンになっていただく。
短期的な利益に目を奪われず、長く顧客様に愛されるようになりたいものですね!
この記事へのコメントはありません。