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【ライフスタイルを表現するVMD|Vol.02】 商品を売らずに、商品を魅力的にする。

スーパーは、

食品や日用品を買う場所。

もちろん、それは間違っていません。

でも

もし、スーパーの役割が
「商品を売ること」だけではなかったとしたら。

そんなことを考えさせられるのが、
オランダのスーパーマーケット「Jumbo(ユンボ)」です。


スーパーで「散歩」をする。

Jumboには、

「Kletswandeling(クレッツワンデリンゲン)」

という取り組みがあります。

簡単に言えば、

「おしゃべりしながら、みんなで歩く散歩」

です。

2025年には、オランダ各地の50店舗がこの取り組みに参加。

地域の人たちがJumboの店舗に集まり、
そこから一緒に歩きます。

Jumboのスタッフも一緒です。

そして歩きながら、

話す。

笑う。

地域の人と知り合う。

そんな時間を過ごします。

Jumboは、この取り組みを
「地域の人同士が出会い、つながるための場」として位置づけています。

2026年も、店舗を通じた地域とのつながりを深める活動として、Kletswandelingenを続けています。


なぜ、スーパーが散歩をするのか。

ここが、僕には面白く感じました。

普通なら、

「スーパーは食品を買うところ」

です。

だから、

売上を上げる。

来店客を増やす。

買上点数を増やす。

そんなことを考えるのが、
当然のように思えます。

ところがJumboは、

「人が集まる場所」

というところまで、
スーパーの役割を広げている。

実は、その考え方はKletswandelingenだけではありません。

Jumboには以前から、

「Kletskassa」

という取り組みがあります。

これは、急いでいない人が
店員さんと会話を楽しみながら会計できるレジです。

今日本で主流になっている
セルフレジの真逆を行っている。

つまり、

レジで買い物をする。

だけではなく、

レジで人と話す。

という時間まで、
お店の中につくっているわけです。

そして、その考え方がさらにお店の外へ出ていく。

それが、

Kletswandelingen。

という見方もできます。


「商品」の先にあるもの。

ここからは、VMDとして考えてみたいと思います。

スーパーで売っているものは、

食品です。

野菜。

パン。

牛乳。

お菓子。

飲み物。

もちろん、商品そのものに価値があります。

でも、その商品を買ったあとには、

必ず何かが起こります。

家族と食卓を囲む。

友人とお菓子を食べる。

休日にコーヒーを飲む。

誰かのために料理をつくる。

つまり、

商品を買った先には「時間」がある。

そして、その時間には、

人がいる。

会話がある。

笑顔がある。

暮らしがある。

そう考えていくと、

「商品を売る」

ということの意味も、
少し変わって見えてきます。


商品を見せるだけがVMDではない。

僕は、VMDという仕事を

「商品をどう見せるか」

だけではないと思っています。

その商品によって、

どんな暮らしが生まれるのか。

どんな時間を過ごせるのか。

どんな気持ちになれるのか。

そこまで想像してもらう。

それも、
VMDの大切な役割だと思っています。

BEAMSのサーフィンのあるコーナーなら、

洋服だけではなく、

「サーフィンのある暮らし」

が見えてくる。

Jumboなら、

食品だけではなく、

「人とつながる地域の暮らし」

まで見えてくる。

見せているものは違います。

でも、考え方は少し似ています。


お店は、商品を売るだけの場所なのか。

ここで、少しだけ立ち止まって考えてみましょう。

あなたのお店では、

商品を見せていますか?

それとも、

その商品があることで生まれる時間まで、見せていますか?

洋服なら、

その服を着て出かける時間。

家具なら、

その家具を囲んで過ごす時間。

食品なら、

誰かと食卓を囲む時間。

お菓子なら、

誰かに「これ、おいしいね」と言う時間。

商品には、

商品そのものの価値があります。

でも、

その先にある「時間」まで見えてくると、

商品の魅力は、

もう一段深く伝わるのではないでしょうか。


商品を売らずに、商品を魅力的にする。

僕が「ライフスタイルを表現するVMD」というテーマで考えているのは、

まさに、この部分です。

商品を一生懸命見せる。

それだけではなく、

その商品があることで、どんな時間が生まれるのか。

そこまで表現してみる。

すると、

商品そのものを強く売り込まなくても、

「なんだか、これが欲しくなってきた」

という気持ちが生まれることがあります。

それは、

商品を売っているのではなく、

商品の先にある価値を伝えているから。

なのだと思います。


スーパーは、

買い物をする場所。

もちろん、それでいい。

でも、

人が出会う場所にもなれる。

話す場所にもなれる。

地域とつながる場所にもなれる。

そして、

そこで買った商品によって生まれる時間まで想像できる場所になったら。

お店の役割は、

もっと広がっていくのかもしれません。


商品を見せる。

その一歩先に、

その商品によって生まれる「時間」を見せる。

これも、

VMDなのだと思います。


「ライフスタイルを表現するVMD」シリーズ

商品そのものだけではなく、
その商品があることで生まれる「暮らし」「時間」「人との関係」に目を向けて、お店の表現を考えていきます。

次のお店では、
いったい何が見えてくるでしょうか。

BEFORE&AFTER

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