エクスマから学ぶVMDへの気づき

経験値がありすぎることによる、勘違い

長い間VMDという仕事一筋に取り組んできました。

もちろん、うまくいく場合もあればそうでない場合もありました。

ただひたすら、たくさんの商業施設で、たくさんの路面店で日々実践を重ねてきました。

実に30年以上になります。

経験値を積み重ねていくうちに自分なりの法則を発見した気にもなっていきました。

表現方法やテクニックの使い分けにも自信を持つようになっていきました。

VMDに、まるで数学のような明確な正解や答えがあるような気になっていました。

 

しかし、そんな自信が仇になることもあるんです。

『コレで絶対うまくいくはずだ!』そう思って作ったお店の売上が悪かったり。

『美しく仕上がった』と思ったディスプレイが、前を通るお客様には反応が薄かったり。

そんな時は結構落ち込みましたねぇ・・・

でも後にエクスペリエンス・マーケティングと出会い、その考え、藤村正宏先生の教えに触れていく上でわかったことがたくさんあります。

 

エクスマから学ぶVMDへの気づき

藤村先生から伺ったお話しに『花は観手に咲く』というのがあります。

コレは室町時代の猿楽師、世阿弥の言葉。

藤村先生はよくこのお話しをビジネスに置き換えて解説して下さいます。

花は観手に咲く

『世阿弥は父の観阿弥とともに、今に受け継がれる観世流の能を大成させました。その世阿弥がそう言っているのです。どういう意味なのでしょう。この「花」の意味。世阿弥は能を観て美しいと思ったり、すばらしいと感じたりする感動を、「花」と表現したんです。そして、その「花」は能を舞っている演者にあるのではなく、観ている観客に咲く。そう言ったのです・・・』

これをVMDのお仕事に置き換えるとどういうことでしょうか?

お店の価値は、お店や売り場を作った側が決めるのではなく、お客様の側が決めるということ。

素敵だね、欲しくなるね、買いたくなるね・・・と感じていただくのはお客様次第なんです。

だから経験値や法則や高い技術で作り上げたお店が、必ずしも正解ではない。

それがお客様に伝わって初めて価値になる。

VMDの成果になるということですね。

 

藤村先生のお話しを聞いているうちにそんなことに気が付きました。

(もっとたくさんの気付きがあります。これはあくまでほんの一部ですけどね)

タクミこと花井康成さんが撮った藤村先生の写真

タクミこと花井康成さんが撮った藤村先生の写真

 

VMDに正解なんて無い!

だからVMDに正解なんて無いんです。

駄目だったら変えれば良い。

お客様の反応によって変化させられる、柔軟な対応ができることが大切なんですね。

 

かといって、仮説がないとその検証もできませんから、経験や勉強はとても大切ですよ!

だからシステムとしてのVMDを導入する事は重要。

お客様の反応によって柔軟に対応する。

そしてVMDを狭い意味で捉えずに、接客応対、内装デザイン、ソーシャルメディア活用にまで広げて考えてみる。

それらが連鎖、連動することで大きな効果が期待できます。

 

時代に応じた伝え方、伝わるような伝え方、これを工夫すること。

その上で、ドンドン変化させていくことですね!

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