今ファッション企画で大切なこと。それは共感してもらうこと

こんにちは!

VMDコンサルタントの藤井雅範です。

 

僕は大阪夕陽丘学園短期大学で4つほどの授業を担当しています。

大学は今、試験も終わってちょっとゆっくりな時期。

振り返りの意味でこのブログを書いてみます。

 

僕が担当している授業の中の一つに『ファッション企画実習』と言う授業があります。

実際に学生にファッションを企画してもらう授業なんですが、これが結構楽しいんですよ〜

ファッション企画実習 授業の構成

授業の構成としてはこういった感じです。

前半)

僕の方から、今のファッション・アパレル業界の動向や感性分類の話。

ついで、ファッションは服から世界観へ(モノからライフスタイルへ)移行している、といった話。

さらに、企画のためのMAPやブランディングについて話をします。

中盤)

学生たちに自分を良く顧みて、自らのタスクを探索する〜ビジョンを描く〜コンセプトを発見する、までを行ってもらいます。

その後、コンセプト・デザイン・販促案までを具現化し、ポートフォリオ式の企画書を作成していただきます。

後半)

全員が1人づつ自分の企画をプレゼンテーションします。

そしてそれを聞く学生たちからは、プレゼンテーションしている“内容の良さを引き出すような質問”を投げかけてもらいます。これも評価に入ります。

ポートフォリオ形式の企画書

ポートフォリオ形式の企画書。

そのヒントは吉田康成さんが書かれた『デザインを伝える、ポートフォリオの作り方』(文化出版社:今は絶版の模様)という本。

これを読ませていただいてとても共感を覚えました。

特に、『消費者の多くは、モノだけが欲しいわけではなく、モノが生まれるストーリーまでを含めて消費したいと考えるようになったのではないでしょうか』と言う部分。

本当にそう思います。特にファッション関連は。

ファッションなんてなくても生きていける

前半の冒頭部分では、こんなことも話します。

・コロナショックで気付かされたこと→ファッションなんてなくても生きていける

実際に緊急事態宣言が発せられ、商業施設が休業しても特に誰も困らなかった。

ファッションでなくてもコモディティで充分。つまり実用衣料が手に入れば事は足りる、と言うことに気づいたのです。

逆にいえば、生活必需品範疇の衣料(実用衣料)は無くなると困るので売れます。しかし同じようなもの、代替品もたくさんあるので価格競争になる。

 

対してファッション衣料は特段必要なものではないので、理由がないと売れません。

だからストーリーや世界観に共感する、自分の隠された欲求に気づく、“それ”を手に入れたいと思ってもらえれば価格競争になりにくい。

こういった違いがありますね。

 

ファッション衣料では、企画した商品の価値を感じてもらえることが重要。

そのために自分自身やモノが生まれるまでのストーリーを、“伝わるように伝える”のです。

この作業は単に売れるファッションを企画するだけでなく、自分自身を深く知る、楽しい作業でもあるのですね。

そしてそれが僕が『ファッション企画実習』で伝えたいことなんです。

 

今年も学生たち個人個人のストーリーの視覚化、拝見するのが楽しみです!

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