それってホントにお客様のため???

VMDコンサルタントの藤井雅範(ふじいまさのり)です。

お酒屋さんの店内で 

今日、お酒屋さんに行ったんです。

いつものビールを買おうと、ビール売り場の方へ向かいました。

するとビール売り場の入り口には女性の店員さんが大きな声で呼びこみをしています。

『いらっしゃいませ!ただいまこちらの商品をお買い上げくださいますと、このようなお土産をプレゼントしております、・・・ウンヌンカンヌン』

ビール売り場の入り口で大きな声を張り上げています。

ボクはいつものビールを買おうと、ビール売り場に近づくのですが、その女の店員さんの大きな声が痛いくらい耳に響いてツライ(笑)

休む間もなく言葉を続けて売り込みを行っています。

内容的には、ただそのビールを買えば景品がもらえるというだけの事。

そんなに続けて大きな声で言わなくても十分に伝わっているのに。

近くでお買い物をしている人にとっては迷惑なくらいな大声です。

おそらくご自身では、大きな声を続けて発することで仕事をしているという実感が沸くのでしょう。

仕事が終わればきっと喉が枯れているだろうなと、ちょっとかわいそうに思ってしまいます。

でもボクは彼女が売り込んでいる商品には何の興味も示さなかったし、彼女の声につられて寄ってくるお客さんも残念ながら見受けられませんでした。

今日お酒屋さんで買ったワイン。 買った理由は個性的なボトルのデザイン。

今日お酒屋さんで買ったワイン。
買った理由は個性的なボトルのデザイン。

ファッションのお店のタイムセールって・・・ 

ファッションのお店でも時々見かけます。

タイムセールと銘打って時間限定で10%オフなどのセールを行う呼び込み。

店頭でメガホンマイクを持って大きな声で呼び込んでいます。

『さぁ今からタイムセールが始まります!』

『この時間だけの特別価格です。ぜひお立ちより下さいませ!』

一生懸命、前を通りゆく人たちに大きな声で呼びかける。

声を枯らして呼びこむことは大変だけど、仕事をしたっていう、ちょっと充実した気分になるかも知れません。

確かに大きな声につられてお客様が入店される事はあると思います。

10%オフという価格の安さにつられて、一時的に売り上げも上がると思います。

そして毎週の会議などでは、そういう行動による売り上げアップの報告が行われていることでしょう。

さらには売り上げ計画を組む時にも、前年にこういうセールをやったから今年もこれをやろう!とか、今年売上予算が達成しなかった理由としては、前年やったタイムセールをやらなかったから、などといった報告も行われたりします。

確かにそういうことが数字に表れるから、そういう報告をしてしまう。

こんなことが行われているのは理解できます。

 

しかし、しかしですよ。

タイムセールと言う、“価格の安さ”につられて入ったお客様が、どれだけあなたのお店のファンになってくださっているのか?

ということにも注目してみましょう。

それをきっかけにどんどんファンが増えていくのならば、それは良い事かもしれません。

しかしそのタイムセール開始前にお買い物をされたお客様が、その後そのタイムセールをやっているときにお店の前を通りかかったら、なんと思われるでしょうか???

『あの時買うんじゃなかった』とちょっと嫌な思いをされるのではないでしょうか?

また、『さぁタイムセールはあと5分ですよ!今がお買い得です!お早めにお買い上げください!』と言うような売り込みに反応して、特に気にいったわけでもない商品をついプラス買いしてしまった場合は??

実際にその商品が愛されることなく、気に入られることもなく着用される機会がなかったとしたら??・・・

そんなお買い物体験をしたお客様が、果たしてあなたはお店のファンになって頂けているのでしょうか?

 

こんなことってなかなか数字では測れないですよね。

なので会議でも発言しにくいかもしれません。

でも自分がお客様になった気持ちで考えてみるとわかります。

時にはそんな気持ちで判断することも大切ですよね?

 

短期的な数字だけで測れることで長期的なお客様を見失ってしまっているかもしれません。

一生懸命売り込むことが仕事だと勘違いしたり、数値で現れる結果のみを正義だと勘違いしたりすることもあります。

短期的な利益よりも、長い目で見てあなたのお店のファンになって下さるお客様を増やしていくこと。

これからのビジネスではこういった視点が大切だと思います。

 

一度あなたご自身がお客様になった気分で自分のお店のサービスを見直してみると良いかもしれませんね。

今までは当たり前に思っていたことが、本当にお客様のためになっているのか?

あなたのお店のファンを増やすことにつながっているのか?

ちょっとだけ立ち止まって、考えてみませんか。

 

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