誰が商店街を殺すのか?

こんにちは。藤井雅範です。

ボクがアパレルメーカーに勤務していた時代のお話。

ボクのいた会社が、まだ卸事業中心の時代、今から20年ほど前かな?

ボクたちは卸先専門店さんの店頭の売上アップのために活動していました。

VMDや販促といった面の支援です。

具体的には、ファッション専門店さんの店頭を訪問して、商品やお店の魅力が高く伝わるようなレイアウト、ディスプレイを行っていました。

そんな時代のお話です。

 

九州のある地方都市の専門店さんの社長からボクの上司に電話がかかってきました。

『お前んとこの社員、昨日は飯食わせて酒飲ませて一緒に頑張ろうって話したのに、今日は近くの別の店でディスプレイしてるやないか!ライバル店の手伝いしてるやつをうちの店によこすな!!』

どうやら、自分のお店に来たボクの同僚が次の日に同じ商店街にある他の店のディスプレイをしているのを目撃、それが気に入らなかったらしい・・・

困った顔の上司からそんな話を聞かされたことを覚えています。

『うわっ、ちっさいこと言ってるなぁ。でも仕事しづらいなぁ』その時はそう思いました。

お客さまを奪いあわなきゃ!ビジネスは戦いだ!ライバルは蹴落とせ!

その社長は、きっとそんな風に考えていたのかもしれません。

大店法の規制緩和のせい?

丁度その頃から全国にある商店街が徐々に寂れだしました。

大店法の規制緩和(それまでは規制されていた、超大型ショッピングモールなどの開発が解禁された)に伴い、大型ショッピングモールが出店した影響もあるでしょう。

その頃は売上低下の原因は『あそこにショピングモールが出来たから!』という声をしょっちゅう耳にしたものです。

しかし敢えてキツく言わせていただくと、それまでは“法律に守られていたからビジネスも容易だっただけ”と言えるかもしれません。

今も変わらず人気の商店街たち

不況だと言われる中でも、自分たちで盛り上げてしっかりとお客様に支持されている商店街は存在します。

神戸の灘にある『水道筋商店街』

大阪の住之江にある『加賀屋商店街』

小樽にある『寿司屋通り』

他にもたくさんあります。

 

そういったお店では商店街全体、と言った視点で各店舗が力を合わせて盛り上げているようです。

お客さまを奪いあわなきゃ!ビジネスは戦いだ!ライバルは蹴落とせ!

そんな考えではない。

『ライバル店の手伝いしてるやつをうちの店によこすな!』ではなく、共に勉強会をひらいたり、共にイヴェントを企画したりすることが商店街全体の魅力を高めることになる。

自分のお店だけ光らせることを考えるよりも、その商店街全体に来ていただけるようなアイディアを出してゆく。

全ての商店街でそれができていれば、ショッピングモールの台頭も脅威ではなかったかもしれませんね。

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