苦戦する大手アパレル、再生の道は?


VMDコンサルタントの藤井雅範(ふじいまさのり)です。

大手アパレルメーカーの苦戦が伝えられています。

その原因の一つは『価格以外の価値を伝えられていない』

こんなことが考えられるんじゃないでしょうか?

『お客様に価値を伝えきれていますか?』

独自の価値を持つ商品は、どんなに不景気でも売れています。

どんなに周辺に低価格店舗が増えようと、売れている。

『良質な商品をとっても安く売る』といったことを可能にするのは、圧倒的な資本力が不可欠だと思います。

そしてそこにはすでに、ユニクロさんや海外発の著名なファストファッションブランドが君臨している。

あとから、そういった場に参入するのは得策ではないでしょう。

不毛な競争が激しくなるばかりで、誰も幸せにならない。

そして、お客様はそんなものを求めているわけではないのです。

“価格”以外の価値が伝わってこないから、“価格の安いものを選ぶ”というだけ。

『価値の伝わりやすい商品』

BAOBAOのショップ

BAOBAOのショップ

イッセイミヤケの“バオバオ”というシリーズのバッグがある。

シンプルな3角形のピースが集まって、思いがけない形になる。

軽くて、柔らかい。

独自のプロダクトラインですね。

価格はバッグ一つが5万円くらいから20万円くらい。

決して安くない。

しかしそのプロダクト自体に絶対的なオリジナリティがある。

生産が追いつかず、品薄状態が続いているのだそう。

それだけよく売れているのでしょう。

展開している百貨店や商業施設では、軒並みフロアで一番の売り上げを維持しているそうです。

 

こんな商品は価値が伝わりやすいです。

そのポイントはこういったこと。

①見た目のヴィジュアルインパクトが強い

②圧倒的なオリジナリティがある。

③各アイテムのデザインも良い

④機能性も高い

⑤素材も上質。

でも、それが全て揃った商品はなかなか見つけられるものではないですよね。

“バオバオ”のような商品を簡単に開発できるわけではありません。

大丈夫です。

商品面では上のポイントのうち3っつ以上揃えばOKです。

ただし、商品以外の価値が提供できていることが条件。

『商品以外の価値とは?』

次には商品以外の面です。

一つは店舗環境。

内装・インテリアや導線、商品陳列方法、ディスプレイといったVMD(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)を整備することです。

これに関しては、このブログにたくさん情報が載っているのでぜひ参考にしてくださいね!

 

もう一つは人。

同じような、画一的な接客がベストと考えてはいけません。

スタッフ一人一人の“個”を出していくこと。

ここは従来とは全く違います。

そして、お客様を店舗へ誘導するためのソーシャルメディアの活用。

ここでもお店のスタッフが“個”を出した発信をすることが大切。

マスメディアからソーシャルメディアへ

従来の、マスメディアからの情報発信によって購買を決定される割合は、確実に減少傾向です。

逆に、ソーシャルメディアでの交流による情報はますます影響力を増してきている。

そしてその場では、顔の見えない人より顔の見える人が発信する方が圧倒的に反応が良い。

企業やブランドからの商品情報だけの売り込みは嫌われます。

しかし、新宿ルミネ店のカリスマ店長佐藤さん(仮名)のブログによる個人からの発信は共感される、ということ。

『新商品入荷!売れ筋ナンバーワンのTシャツ¥1.900!』と書くよりも、『昨日は女子会。海の見えるテラスのあるレストランに集合。ボーイッシュなTシャツにキャップをかぶってデニムとコーディネートしたスタイリング。同性にモテモテでした!(笑)』と書いた情報の方がリアリティがある、ということ。

『売れ筋ナンバーワンの¥1,900円のTシャツ』=企業からの売り込み。→“価格”で判断。

『女子会で評判の良かったTシャツ』=リアルな体験に共感。→Tシャツへの興味が湧く。

さて、どちらの商品が売れるでしょう?

そしてどちらの商品に、愛着を感じるでしょう?

まとめ

今、店前通行量が簡単に増えるような立地は稀です。

ソーシャルメディアで発信することは、ある意味無料で宣伝広告ができる、お店やECサイトへ誘導できる、ということ。

そして、既存顧客に対しても、『忘れられない』、『また行きたくなる』、という来店促進につながります。

そしてそのポイントは発信するスタッフ一人一人が“個”を出していくことなんです。

今までとは全く逆のことかもしれません。

勇気を持って、ここに取り組むことであなたお店の価値が伝わりやすくなります。

 

商品面での独自性、店舗環境の整備、ソーシャルメディアでの“個”の発信。

この三つが苦戦するアパレルの再生への道につながっていく。

 

・・・・・そういうことです。

 

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藤井 雅範

代表 VMDコンサルタント株式会社ライトハウス
アパレルメーカー 株式会社ワールドにて28年と9ヶ月、一貫してVMDの専門職に従事。レディス、メンズ、雑貨ブランド。セレクト、ファミリー及びスポーツ業態のVMDを経験。複数の事業部にてVMDマネージャーを歴任。エクスペリエンス・マーケティング実践塾55期生。《藤井雅範のプロフィール》

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VMD基本用語説明

VMD:ヴィジュアル・マーチャンダイジング→ お客様にあなたのお店(あなたのブランド)の価値を“視覚をメインとした五感で伝えること”。そのシステムのことをさす場合もある。

VP:ヴィジュアル・プレゼンテーション→ そのお店のMDの特徴やコンセプトを表現すること、またはそのスペースのこと。一般的にはお店のファサード(入り口、通路面のお店の顔の部分)にあるショーウインドウやステージ上で数体のスタイルをまとめてみせる場合が多い。

IP:アイテム・プレゼンテーション→ そのお店で、商品が、お客様が手にとれるように陳列されている状態、またはそのスペースのこと。

PP:ポイント・オブ・パーチェス・プレゼンテーション→ IPされている商品群をピックアップして、着こなしや着回し使い方を表現すること、またはそのスペースのこと。いわゆるPOPもこのPPの一部に分類されます。

ファサード:お店の顔→ そのお店の外部の通路に面した部分をさします。特に、入店客数に影響を与えるスペースでもあります。

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