なぜ米国では副社長が『VMD』の責任者をしているのか?

公開日: VMD, マーケティング


VMDコンサルタントの藤井雅範です。

なぜ米国では副社長が『VMD』の責任者をしているのか?

昨日のブログで、『VMD』の本場アメリカでは副社長クラスの人が『VMD』の責任者をしている企業が多い、と書きました。

昨日のブログはこちらから↓

『ディスプレイ』と『VMD』の違いとは?

どうして『VMD』には重要な責任者が携わった方が良いのでしょう?

それは『事業のシナリオ』と切り離して考えては効果が薄くなるからです。

『事業のシナリオ』=企業がその事業をどうしてゆきたいのか?

コレが明確になって初めて『VMDのシナリオ』=お客様にどう見せたいのか?見られたいのか?

が、効果的に働きはじめます。

あなたのブランドやお店はシナリオを持っていますか?

事業にはシナリオが大切です。

その事業をどうしてゆきたいのか?

コレを示すシナリオがなければ、事業に携わるスタッフはどう動けば良いのかわかりません。

ましてやお客様には、この企業はどんな事業を行なっているのか?何がしたいのか?

こういうことが伝わってこないですよね。

だから企業は何らかの形でこういったシナリオを持っていると思います。

『VMD』のシナリオの作り方

さて、『VMDのシナリオ』です。

どのように作っていけば良いのでしょう。

昨日のブログで書いた『VMD』の定義とはこういうことでした。

VMDとは“お店やブランドの価値を視覚的に伝える「マーケティング活動」のこと”(マーケティング活動とは、売上を上げる為の活動全般のことを指します)お店やブランドの価値を視覚的に伝える「マーケティング活動」=ビジネスとしてのシステムなんです

コレを考える上で大切な手順があります。

それは『誰に、何を伝えて、どうして欲しいのか?』ということ。

これを深堀してシナリオにしていくことです。

アバクロとGAPを対比してみよう

シナリオが明確になるとどんなお店になるのか?

わかり易く考える為に、実例での店頭を比較してみましょう。

アバクロンビー&フィッチ

商品テイスト:アメリカン・カジュアル

ターゲット:クラブカルチャーに共感を示すセクシーな人たち

 内装イメージ:黒を基調としたダークなカラーのインテリアと、暗ーいライティング

空気感:独自の香りのフレグランス、グッドルッキング(まるでモデルの様)なスタッフ、クラブの雰囲気、セクシーなムード

VP,IP,PP:ロールアップや、ルーズなウエストやはだけた胸元と言ったセクシーな着こなし表現。

店舗環境:入り口は閉鎖的で入りづらい。反面入って見たくなるワクワク感があるスタッフの演出。導線幅は狭く、部屋感のある間仕切り、奥への見通し悪く、隣の部屋に何があるのかわかりにくい。それだけに入って来るお客様には選ばれた優越感のようなものを感じていただける。

GAP

商品テイスト:アメリカンカジュアル

ターゲット:国籍や人種、世代を超越したベーシック・カジュアルを楽しむ人たち

内装イメージ:白を貴重とした明るいカラーのインテリア

空気感:明るく親切なスタッフ、健康的でファミリーで買い物を楽しめる雰囲気。国籍や人種を超越したインターナショナルなムード

VP,IP,PP:ベーシックで安心感のあるスタイリング。サイズの豊富さが良くわかるボリューム感のあるレイアウト。

店舗環境:開放的で、誰でも入りやすい入り口。幅の広い主導線。カテゴリーは明確で、何処に何が展開されているのかわかり易い。壁面の上部は大きなヴィジュアルパネルがあり、そこで展開されている商品を表現している。気軽にフレンドリーな雰囲気でショッピングが楽しめる。

IMG_6775

私見ですが、イメージを書いてみました。

だいたい当たっているでしょ?

商品テイスト以外は大きく違いがありますね。

逆に商品は良く似てる。

語弊を恐れずに言えば、タグを外してGAPの商品をアバクロのお店においても、おそらく気付かない。

同じようにアバクロの商品をGAPのお店においても、普通のお客様はわからない。

そして、どちらの事業も一時代を築きました。

とっても成功を収めたと言えます。

(アバクロは現在大変革中と聞きますが・・・)

商品だけではない、見せ方のシナリオ

アバクロとGAP。

どちらの店舗もとっても独自性のある見え方です。

ひとめでそれとわかる。

それは、単に商品だけでなく見せ方、いわば『VMDのシナリオ』がとってもしっかりしているからでしょう。

同じ様な商品でも見せ方、見え方が大きく違う。

コレを実現させているのは、おそらく事業のシナリオと連動しているから。

アバクロは、セクシーでクラブ的なカルチャーでアメリカンカジュアルウエアを料理している。

GAPは、明るく開放的で、人種や国籍やサイズ感を超越したインターナショナルなムードでアメリカンカジュアルを 料理している。

同じ様な素材が全く違うモノに仕上がる。

コレはその企業がしっかりとした『事業のシナリオ』を持っていて、それを基に『VMDのシナリオ』を描いているから。

コレを徹底させるのは実は大変なこと。

決定権を持つ人がリードしないと決まらないし、徹底出来ない。

だから、VMDは企業の中の重要な責任者が管轄した方が良い。

 

・・・・・そういうことです。

 

 

 

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藤井 雅範

代表 VMDコンサルタント株式会社ライトハウス
アパレルメーカー 株式会社ワールドにて28年と9ヶ月、一貫してVMDの専門職に従事。レディス、メンズ、雑貨ブランド。セレクト、ファミリー及びスポーツ業態のVMDを経験。複数の事業部にてVMDマネージャーを歴任。エクスペリエンス・マーケティング実践塾55期生。《藤井雅範のプロフィール》

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VMD基本用語説明

VMD:ヴィジュアル・マーチャンダイジング→ お客様にあなたのお店(あなたのブランド)の価値を“視覚をメインとした五感で伝えること”。そのシステムのことをさす場合もある。

VP:ヴィジュアル・プレゼンテーション→ そのお店のMDの特徴やコンセプトを表現すること、またはそのスペースのこと。一般的にはお店のファサード(入り口、通路面のお店の顔の部分)にあるショーウインドウやステージ上で数体のスタイルをまとめてみせる場合が多い。

IP:アイテム・プレゼンテーション→ そのお店で、商品が、お客様が手にとれるように陳列されている状態、またはそのスペースのこと。

PP:ポイント・オブ・パーチェス・プレゼンテーション→ IPされている商品群をピックアップして、着こなしや着回し使い方を表現すること、またはそのスペースのこと。いわゆるPOPもこのPPの一部に分類されます。

ファサード:お店の顔→ そのお店の外部の通路に面した部分をさします。特に、入店客数に影響を与えるスペースでもあります。

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